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持っている金額と心配の量は反比例しない
詳しく聞いてみると、息子が成年後見人を立てちゃってて、自由に使えるお金は限られてるらしい。だからといって、金がなくて何かを我慢しなきゃいけないなんてことはないだろうね。息子だって何かあったらたいへんだと思って、一種の親心できちんとやってくれたわけだ。けっして息子といがみ合ってるわけじゃない。
世間一般の基準で言ったらケタ違いに恵まれてるジジイなのに、本人は「もっと金が欲しい」と願ってる。持っている額と心配の量とは、けっして反比例しない。もしかしたら正比例するのかもしれない。彼女は「人間というのは、最後の最後までお金への執着は消えないんだなと思いました」って言ってた。
まずは体を動かしてみたらどうだ
あなたが将来を不安に思ってしまうのは、無理もないことなんだよ。あなただって、日々の生活に困っているわけじゃない。年金もあるし多少の貯えもある。安泰と言っていい老後だよ。だからといって、心配なもんは心配なんだよな。
昔から、歳を取ると「3K」が悩みの種になると言われている。「経済」、つまり金と、「健康」と、それから「孤独」。あなたは、今のところ健康だと書いてあるし、奥さんもいて孤独というわけではなさそうだ。さっきのジジイは、金で悩んでいるだけじゃなくて、健康と孤独も悩みの種なのかもしれない。
金に対する不安や心配がふくらんでいるなら、健康には問題がないんだし、できることを見つけて働いてみるのがいいんじゃないか。何もしないで、家の中で心配していても仕方ない。体を動かせば心の中のモヤモヤがきっと消えていくよ。