<当然のことながら問題がなかったとは一切思っておりません。加えて会社としても、私個人としても、そのような行為自体は決して許されることではないと考えております。一方で、当事者であるジャニー喜多川に確認できない中で、私どもの方から個別の告発内容について『事実』と認める、認めないと一言で言い切ることは容易ではなく、さらには憶測による誹謗中傷等の二次被害についても慎重に配慮しなければならないことから、この点につきましてはどうかご理解いただきたく存じます。とは言え、目の前に被害にあったと言われる方々がいらっしゃることを、私たちは大変重く、重く受け止めております>
一方で、小誌との裁判の際に既に取締役であったにもかかわらず、「事務所、またジュリー社長は知らなかったのか?」という質問に対しては<知らなかったでは決してすまされない話だと思っておりますが、知りませんでした>とした上で、ジャニー氏とジュリー社長の母であるメリー喜多川があらゆることを決定しており、この二人以外は任された役割以外の会社管理・運営に対する発言は出来なかった。さらに取締役会と呼べるようなものも開かれたことは無く、この性加害の問題は<二人以外には知ることの出来ない状態が恒常化していました>と弁明した。芸能界を代表する事務所が、取締役会も開かれないほどの異常な経営が行われてきたことを、自ら明かしたのだ。
また小社との裁判で性加害が認定されたことについても<詳細については私には一切共有されておらず、恥ずかしながら今回の件が起こり、当時の裁判を担当した顧問弁護士に経緯確認するまで把握できておりませんでした>と述べたのである。<私個人としては、取締役という立場でありながら、積極的にその責務を果たせなかった点について、大きな落ち度があったと考えております><私が辞職する選択肢も考えました>としているが、裁判の詳細は調べればわかることであり、裁判後も事態を取締役として放置し続けた責任は非常に重い。
またジャニー氏の性加害については、小誌が既に報じてきたように、スタッフがタレントをジャニー氏の泊まるホテルまで送り届けるなど、“事務所ぐるみ”であったことも明らかになっている。だがジャニーズ事務所は小誌の取材に対しては沈黙を続け、今回のジュリー社長の説明でもそれに触れられることは無かった。事務所の責任問題については、いまだに残されたままだ。
5月17日(水)12時配信の「週刊文春 電子版」、18日(木)発売の「週刊文春」では、ジュリー氏の謝罪動画の舞台裏、性被害への対応を巡り揺れるタレントたち、スタッフもジャニー氏から性被害を受けていたこと、メンバーの退所が近付いているKing & Princeの動向などについて報じる予定だ。
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