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 かく言う私も、「なんだかなぁ~」と気持ちがくさくさする時には、新しいことを始めたくなる。その結果、大人になってから編み物、洋裁が趣味の仲間入りをしたが、将棋も含めたすべてがジーッと座って行うものである。

 ギシギシときしむ身体が運動を欲するのは自然な成り行きで、何度も運動習慣をつけようと試みた。が、それが習慣にまでなることは、大人になってから一度もない。

将棋は見た目以上に体力を消耗する

 運動をすると、育児や将棋の勉強に残す体力がなくなり、筋トレを行えば子どもから風邪をもらい、むしろ筋力を失う。強いて習慣づいていると言えば、ストレッチで身体をほぐす位だが、それだけでは体力がついているという感覚はまるでない。世の中の人々はどうやって体力作りをしているのだろう。後悔先に立たず、こんなことならもっと前から運動しておけばよかった。

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 将棋は見た目以上に体力を消耗する。脳を長時間使い続けるエネルギーだけでなく、盤の前に座り続ける筋力もばかにならないし、緊張状態が続くため体温は上がり、冬であっても終盤には大量の汗をかく。体力や筋力を上げることは、将棋という身体を動かさない競技においても、ものすごく大切だと感じている。育児にも言わずもがな、体力・筋力は超重要事項である。

 30代半ばになり、ここ数年感じるのは、体力と筋力は意識的につけようとしなければ低下していく段階に入っているということだ。おまけに対局の疲れは取れにくくなっている。

 現実として、昨年度は体力のなさに苦しめられ、11月頃までと比べて12月~3月あたりの成績も将棋の内容も著しく下がっていた。

すなわち詰将棋は筋トレである

 今までは育児>将棋>家事など>>>>運動という優先順位で、余力があれば「まぁ運動でもするか」というスタンスだった。これを見直さなければならない時が来てしまったのだ。

 減らせない育児は仕方ないとして、将棋の割合を減らしてでも、体力作りの優先度をもっと上げなければならない。少なくとも現状のままでは、1年間を通して戦い続けることが年々厳しくなっていくだろう。

 一時的に将棋がマイナスになったとしても、まずは体力をつけることが、長い目で見たときに将棋にも育児にもプラスになるはずだ。そもそも「健康のため」という理由も年々大きくなってきている。

まだまだ小さなハムスター ©上田初美

 令和5年の初夏、夫はハムスターを飼い始め、私は体力をつけることを決意した。

 詰将棋も最初は1手から始めて、少しずつ手数を伸ばしていく。筋トレも同じだ。すなわち詰将棋は筋トレである。意識的にできることを増やしていこう。

 この原稿を書いている後ろでは、カラカラカラカラと回し車を走り続けている音が聞こえている。ハムスターは偉大だぁ……。

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