――いまの達磨塾のテーマはなんですか?
「西成からシャブを一掃することはできません。無理。自分が生きてきた道やから、どうやれば金になるかは知っています。だからそこまでは言わへんのやけど、ただワシのスローガンはやりたい人はやったらええ。ただホンマに止めたい人のためにワシがあれになっとるだけで。
“ワシと一緒に人間やりなおそう”と。それがテーマやから。だからワシはテレビに出てもなんでも、ワシにヤクザの話はふらんといてくれと。否定はできへんから」
木佐貫さんをメディアで見かけることは多いが、確かに覚醒剤の話しかしていない。自分が生き抜いてきたヤクザについて一切語らないのは、自身の誇りもあるからであろう。
覚醒剤以外の“楽しみ”もあると伝えたい
――木佐貫さん自身は、シャブを何年くらいやってないですか?
「もうホンマに興味無いですわ、だけどね、止められんからね、なかなか。ワシが知っている親分も今でもやっているからね。そう簡単に止められたら覚醒剤の値打ちもなくなる。どんだけいいもんか、というのは誰よりワシが知っとる」
――少し前にテレビに出演してたじゃないですか。ジャニーズ引き連れて、“あいつも売り子や”とか。ああいう売り子の人間も止めさせようとは思ってないんですか?
「そこまでは考えていませんよ。売っとる人に覚醒剤を売るのをやめろとは言えへん。でもいつかは捕まるぞ、と。それだけは言いたい。刑務所行ったら時間がもったいない。
だけどそれ以上は言えませんよ。自分がやっとった立場やから。覚醒剤がええ悪いはもちろん分かっとる。これだけ金になるとか、すべて分かっとる。いまでも来ますよ、“ありませんか?”って」
――オレが止められたんだから、ついて来れる人間はみんな止めようよ、と。そういう考え方ですか。