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異例の民放批判も…NHK「クローズアップ現代」がジャニー喜多川氏の“性加害”に斬り込んだ意味とは

異例の民放批判も…NHK「クローズアップ現代」がジャニー喜多川氏の“性加害”に斬り込んだ意味とは

2023/05/18

genre : ニュース, 社会

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 4月には元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさん(26)が日本外国特派員協会で記者会見を行い、5月11日にはTBS「news23」で元ジャニーズJr.の橋田康さん(37)が証言した。2人とも顔出し実名で「少年時代にジャニー氏から性被害にあった」と告発した。2人は国会で立憲民主党のヒアリングにも出席し、現在の法律ではこうした問題に対処ができないと法の整備も訴えている。

 そんな中で「クロ現」は、新たに3人目となる顔出し実名で証言する被害者をテレビメディアでは初めて登場させた。そのインパクトは計り知れない。これから勇気を出してメディアの前で証言する人が続く可能性があることを示したからだ。

「いま声を上げる時だと思った」

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 初めてカメラの前でそう話すのは、元ジャニーズJr.の二本樹顕理(にほんぎ・あきまさ)さん(39)。中学2年生で事務所に入ってしばらくして経験した性被害を赤裸々に証言する。

(NHK総合「クローズアップ現代」5月17日より)

(二本樹顕理さん)

「マッサージから始まってだんだんパンツの中に手を入れられて性器を触られて……。その後は手で触られたり、そこからオーラルセックスされました。後は勃起した性器を体にこすりつけられたり」

 その時の心理状況については、まだ性経験もない時期だったので「すごく困惑した」「自分の身に起こっていることがいまいちよく理解できない」状態で体が硬直して寝たふりをしていたと話す。

「自分の中のセルフイメージが崩れ去っていくような感じで心と体が別々になるというのか」

 翌日、1万円を渡されて売春みたいで自分の価値をお金で決められたと受け止めたという。そうした行為は10回から15回に及んだ。

(NHK総合「クローズアップ現代」5月17日より)

(二本樹顕理さん)

「マッサージから始まって性的行為に及んでいく。自分の中が崩れ去っていくような感じで心と体が別々になる」

27年経っても消えない“フラッシュバック”

 二本樹さんは2年で事務所を退社。その後も当時の記憶に苦しめられてきた。

(二本樹顕理さん)

「かなりトラウマに残りましたね。当時のジャニーさんと同じくらいの年齢の男性を見ると拒絶反応が起こる。普通に接することができなくなるという状態がしばらく続いた。仕事に就いて上司が50代60代の方だったりすると妙な恐怖感がわいて普通に接することができなくなる。ある時、食事中に当時の様子とか思い出したことがあってフラッシュバック的に食事を吐きそうになった。それぐらいインパクトのある衝撃的な体験でした。私にとって」