キャリアや性格を比較してみるとそっくり? 伝説の名馬ゴールドシップと最も似ている「野球界のレジェンド」の正体を、競馬ライター・小川隆行氏の新刊『ゴールドシップ伝説 愛さずにいられない反逆児』より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)
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ゴールドシップは清原和博?
「ゴールドシップを人間に例えると」――こんな想像をしてみた。能力の高さや気性の激しさ、成績のムラなどをみると、有名アスリートの中で一人の人物が思い浮かんだ。
プロ野球選手だった清原和博だ。清原は長距離打者でゴールドシップは長距離が得意だったが、いろいろ調べてみると、いくつもの共通点がみえてくる。
まずはプロ野球における歴代本塁打数だ。
1位 王貞治 868本
2位 野村克也 657本
3位 門田博光 567本
4位 山本浩二 536本
5位 清原和博 525本
ホームラン数をGI勝利数と考えると、1位の王貞治はGI9勝を挙げたアーモンドアイ、2位の野村克也はディープインパクト。野村とディープは引退後の功績も似ている。歴代5位となる清原の525本は、GI6勝=歴代3位タイのゴールドシップを思い起こさせる。
清原は西武時代、4番としてチームを引っ張り、ほぼフル出場で毎年20本塁打以上を放つなど打撃成績も安定していたが、巨人時代は成績に好不調が目立った。
成績が安定していた西武時代は20代。ゴールドシップも3歳時代は6戦5勝でGIも3勝、4歳春(人間に例えれば20代)も3戦2勝と成績は非常に安定していた。
しかし、4歳秋以降は4着以下が8回と成績にムラが出始めた。清原も30代だった巨人時代、シーズン別の本塁打数は32・23・13・16・29・12・26・12・22とムラが生じている。
GIを勝ったかと思えば大敗するなど「成績の波」も共通している。
また「球場」と「競馬場」にも面白い点が見えてくる。
高校野球のスターだった清原は、PL学園時代、甲子園通算ホームラン13本を放った。これは今でも破られぬ大記録だ。