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投げ銭で使い込み総額200万円

「あまりに高額なので請求先を見たら、“ポコチャ”って書いてあって。初めの頃は1回8000円くらいの請求だったのがどんどん回数も増えて、1回3万円とか額も増えていって。何かと思って、ネットで検索したら投げ銭とわかった。要するに、ネットでライブしている人にお金をあげるってやつ。ポコチャとかイチナナライバーとか。お気に入りの子に投げ銭してたの、私の金で。

 たぶん最初の月は様子見で安めにしてたんだけど、気づかないと思って気が大きくなったのか、どんどんガンガン投げ銭していくようになっていて。2か月目で私が気づいて、『止めるよ!』って釘を刺したんだけど、もうこの時点で返す気もなかったんでしょうね。結局3か月やり続けて、合計200万くらいかな。そこでもうダメだなと思って、家族カードを止めたけど」

写真はイメージ ©getty

 ひかりさんは自分のお金を使われても意外と寛容ではある。人様に迷惑をかけた場合は自ら事後処理を引き受け、尻拭いすることもいとわなかった。しかし、あかりさんによって、これまた見ず知らずのライバーに横流しされていたことには、さすがに呆れたという。

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「投げ銭していたのも、たぶん寂しかったからだと思うんだけどね。家賃滞納して困らせた彼女とちょうど別れたときだったから。彼女が出ていって、ひとりきりになって、つい手を出したんだと思う。でも、私のお金だから! あー、それでちょっと思い出しちゃった」

 幼い頃、よくあかりさんから「お金ちょっと貸して。今度のお小遣い日に返すから」と言われたという。2000円とか3000円とかそのくらいの金額だったが、貸してあげるとあかりさんはワーッと全額使い切り、次のお小遣いの日にも返してくれなかった。親に訴えると、姉に貸した分だけ返してくれた。つまり、あかりさんだけ倍以上の小遣いをもらって丸儲けである。言ったもん勝ち、とったもん勝ちだ。

「私は損はしてないけれど、姉ちゃんが2倍3倍ともらっているから、それが気に入らなかった。親にも『姉ちゃんが使った分はちゃんと次の小遣いから差し引かないと! 姉ちゃんに損をさせなきゃダメでしょ?』と言ったけど、聞く耳をもってくれなかった。姉ちゃんは、人の金は自分の金だと思ってる。『ないものはない、返せないものは返せない』の一点張りなんだから」

 カードの使い込みは、さすがのひかりさんも辟易した。仏の顔も三度まで。投げ銭分をまずは全額返金することを要求。しかし、あかりさんは「返せない」という。

「神戸の新しい彼女、一緒に住んでるなら借りれば? と言ったら、『彼女も、子供が大学入学したからお金ない』って。実は彼女からもすでに何十万も借りていて、もうこれ以上借りられないというオチでした」