そういうところがあかりさんの特技でもある。意地っ張りな部分もあるが、プライドで生きているわけではない。そして、相手の懐に飛び込んで、いつの間にか仲よくなったり、仲直りしたりするのが得意なようだ。
「外づらがいいし、なんか人から好かれる・愛されるんだよね。子供の頃から常に人が周りにいっぱいいたし、誰かがやってくれるから自分では何もやらなくなって。母親の親族ともなんかうまいことやって、取り入ったみたいだからね。私はもう一切関係ないけれど」
ひかりさんは今後絶対にお金を貸さないと決めている。姉が本当に生活に困っているなら貸してもいいと思っていた自分を戒めている。コロナで飲食店業界がひどい目に遭い、ひかりさん自身も収入がなくなり、先行きが不安で押しつぶされそうになったとき、あかりさんが投げ銭していたことが決定打となった。二度とカードは渡さない。
「尻拭いももう二度としません」
「今はまだ姉ちゃんにも彼女がいるし、転々と女を乗り換えて生きていけるかもしれないけれど、年をとったらどうすんのかな。いくらヒモ体質でも、60歳70歳になる頃に同じようにやれるとは思えないしね。友達や知人からは『姉ちゃんが病気になったらどうするの?』ってよく聞かれるんだけど、病気になればお金を使えないだろうから、逆にいいんじゃないかと思ったりもする。うちにはもう入れませんよ、絶対。どうせ姉ちゃんのことだから、そのうちふらっと東京に帰ってきて、また誰かの家に転がり込むとは思うけど、私には関係ないから。尻拭いももう二度としません」
固く決意表明をしたひかりさんだが、自由奔放な姉がそう簡単に心を入れ替えるとは思えない。借金の行方も含めて、あかりさんが今後も頼ってくるだろうことは容易に想像できる。ひかりさんも「突き放せない自分がいる」ことをうっすら悟っているようにも見えた。
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