「「男性が性被害にあったなんて言い出せない」
「バンキシャ」でのインタビューにて、二本樹さんはなぜ今まで告白しなかったのかについて「男性が性被害にあったなんて言い出せない。恥ずかしいという思いがあった」と明かし、「男だったら抵抗しろよ」と第三者から言われるのではと恐れていたと語る。
ジャニーズJr.時代に告白できなかった理由は、当時も暴露本や週刊誌記事はあったものの、テレビや一般メディアでは流れることがなく、「一個人は声を上げたところでどうにもならない」と苦しんでいたという。
実際にこうした声を獲れたのは番組で単独取材した賜物だろう。VTR後に枡太一キャスターがカメラに向かってメディアの責任について考えを語った。
（桝太一キャスター）
「まずは大前提として、今後、人の気持ち、プライバシーを本人が望まないかたちでないがしろにするようなことはあってはならないと、テレビをご覧のみなさんと私たちと一緒に確認しておければと思います。その上で社会に広く問いかけて発信するという手段を与えられているメディアの一員として私も二本樹さんのおっしゃっていた『一個人が声をあげてもどうにもならないんじゃないかと』いう言葉がいったいどんな意味を持っているのか。どんな状況を示しているのか。真摯に受けとめたいと思っています。テレビというメディアが誰のために何のために発信していくのか。私たちはいま一度考えてまいります」
枡氏の言葉は、報道番組を預かるキャスターとして「テレビというメディア」の責任を痛感して今後に生かすという覚悟に満ちたコメントだった。
性加害の被害者である“元少年”たちからきちんと話を聞いた上で伝えようという姿勢を示した局は、これでTBS、NHK、日本テレビの3つになった。
人気キャスターや番組の消極的な姿勢は何に起因するのか
一方でテレビ朝日、フジテレビ、テレビ東京は“被害者”の単独取材をまだしていない。
「23」で“被害者”の報道に熱心にみえるTBSも、「ひるおび」や「ゴゴスマ」は番組としてこのトピックを本格的に扱っていない。朝の番組「THE TIME,」や土曜日の「情報7days ニュースキャスター」では、MCの安住紳一郎キャスターもまだ番組内で自分の考えを示してはいない。
テレビ朝日も「羽鳥慎一モーニングショー」で羽鳥キャスターが自らの考えを表明していない。「大下容子ワイド！スクランブル」も露骨なほどこのトピックを避けている。
人気のキャスターたちや番組の消極的な姿勢は何に起因するのか。「伝える側の責任」を番組や個人として自覚していないのか。番組の責任者の考え方なのか。ジャニーズ事務所との関係での忖度がそうさせているのか。それはわからないが何らかの躊躇があることは読みとることができる。
いずれにしても東山紀之さんの発言を受けて番組の姿勢が変化するのか。今後の1週間でも変化がありそうだ。
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