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「この手の難クセをつけたがる人間は了見が狭いんですよ」映画監督・押井守が語った「映画の観方がものすごく貧しい人」に足りないもの

『押井守の人生のツボ2.0』 #1

note

宮さんが成り立つのは「95%のクズ」があるから

押井:クソゲーは愛称のようなもので、みんなクソゲーを愛してますから。「どうしようもないクズだけど」という感じかな。

 アニメにもそういうところがある。「アニメの95パーセントはクズ」。宮さんが言うまでもなく、これは当たり前です。「あーあ、また同じことやっちゃってるよ」とか「全然成長してないじゃん」とか言ってしまうけど、そこにまったく愛情がないかというと、そんなことはない。嫌いなのかと聞かれれば「いや、そういうわけでは」となる。どこか愛情があるんです。

 宮さんが成り立っているのも、95パーセントのクズがあるから。世の中に傑作しかなかったら、どんなジャンルも成立しません。映画もゲームも、アニメも小説も、95パーセントのクズがあってジャンルとして成り立っている。

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 人間だって同じです。5パーセントの優秀者がいるのは、95パーセントの凡人とクズのおかげ。5パーセントのすばらしいものを、95パーセントのクズが支えていることを忘れちゃいけないんです。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

押井守の人生のツボ 2.0 (Bros.books)

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押井 守 ,渡辺 麻紀

東京ニュース通信社

2023年4月3日 発売

「この手の難クセをつけたがる人間は了見が狭いんですよ」映画監督・押井守が語った「映画の観方がものすごく貧しい人」に足りないもの

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