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「相手を変えるのは無理だから…」カーリング・本橋麻里36歳が2児を育てて変わった“価値観”とは

本橋麻里インタビュー #2

2023/05/28
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今季は北見以外の3大会を有観客開催に向けて調整中

――昨年、稚内のみどりチャレンジカップで準優勝だったSC軽井沢クラブ(Kanai)が日本選手権で準優勝、アドヴィックスカップで4強に進出したフィロシーク青森(Nakamura)が日本選手権でも4強進出するなど、ツアー参加チームがいい強化のきっかけを得たと捉えてもいいものでしょうか?

本橋 強化についてはそれぞれの考え方があるので一概には言えませんが、秋への本格的なシーズンに入る前に真剣勝負の場と試合数の確保ができて、そこで課題が出るのはポジティブなことだと思います。今後もうまくツアーを利用してくれたら嬉しいですよね。

2023年日本選手権準優勝時のSC軽井沢クラブ。左から両川萌音(りょうかわもね)、西室淳子、今季から中部電力でプレーする江並杏実(えなみあみ)、金井亜翠香(かないあすか)、上野美優、西室雄二コーチ ©JCA IDE

――今季は札幌、稚内、北見、常呂の順番で8月に4週連続開催という発表がされました。観客は入れるのでしょうか?

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本橋 基本的には4大会の事務局判断になりますが、会場スペースの都合で有観客開催が難しい北見以外の3大会は有観客開催に向けて調整中だと聞いています。

五輪が2大会続いたアジアはカナダから期待と注目が集まる

――この4都市での開催と日程は固定していくのでしょうか?

本橋 日程は各事務局と選手の要望をすり合わせながら毎年、決めていくことになると思います。基本的には4大会を維持しつつ、北米や欧州から日本に興味を持ってもらって、世界トップチームやジュニアの有望チームが広く参加しやすい仕掛けを考えています。

――競技力、運営やファンの拡大という意味でも、カーリングはカナダのものという認識がいい意味で変わってきていますか?

本橋 そうかもしれません。特に平昌、北京と五輪が2大会続いたアジアは、マーケットとしてカナダからも期待と注目が集まっています。日本としては韓国や中国を良きライバルとしながら、大会運営や興行という面でスピード感を持って一歩、前に出たいですね。

――北海道ツアー、そして来季も進撃するカーリング界、楽しみにしています。

本橋 ありがとうございます。北海道ツアーは選手もファンも関係者も、どんどん人を巻き込むセカンドシーズンになりますので、みなさんぜひご参加ください!

本橋麻里(もとはし・まり)

1986年6月10日北海道北見市常呂町生まれ。12歳でカーリングをはじめ、19歳でチーム青森に加入。2006年トリノ五輪、2010年バンクーバー五輪に出場。2010年に「ロコ・ソラーレ」を結成し、結婚、出産を経て2018年に平昌五輪に出場し、日本カーリング史上初のメダルを獲得した。 現在は2児の母でありながら一般社団法人ロコ・ソラーレの代表理事を務め、セカンドチーム「ロコ・ステラ」の選手としても活動している。著書に『0から1をつくる 地元で見つけた、世界での勝ち方』(講談社現代新書)がある。

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