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本橋 私は話をしに行っただけですが、NTTさんもホクレンさんも、すぐに反応してくれたのは嬉しかったです。eスポーツのイベントや配信に力を入れているNTTさんがバックについてくれたのは本当に心強かったですし、ツアー発足会見でホクレンさんが「美味しく安心、安全な北海道産のものを食べて元気を出せば世界で活躍できる」と言い切ったのも頼もしかったです。オール北海道でツアーが動き出したのは幸せなことでした。

2022年のツアー発足会見にて。左からNTT東日本-北海道阿部隆北海道事業部長、本橋、北海道カーリング協会貝森輝幸会長、ホクレン渡辺省三管理本部長 ©北海道カーリング協会 ※役職は撮影当時のもの

配信チームの思いが映像に乗ってるのが嬉しい

――前編では「4年に一度」という話題がありましたが、こうしてカーリングに興味を持ってくれる企業や団体が増えたのもカーリングの進歩かもしれません。

本橋 本当におっしゃる通りです。嬉しいですよね。そういう意味では内側の意識も変わってきた実感もあります。

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――内側というと?

本橋 大会を支えてくれたスタッフや関係者です。カーリングが今よりもっともっとマイナーだった頃は、誰かが何か面白いアイデアを持っていても「そんなの無理だよ」とかネガティブな反応もあったのですが、今は一緒に本気で考えてくれる人、まず動いてくれる人が増えて、みんなでもっとカーリングを面白くしていこうという意識が強くなっている気がします。

――そういう意味では配信も顕著な例かもしれませんね。「テレビと遜色ない」といった声が挙がったり、ライブでの視聴が2万~3万人といった数字を記録したりと、大成功と言っていいのではないでしょうか。

本橋 特に配信チームの思いが映像に乗ってるのが、選手としてもすごい嬉しかったです。スイープで運んだチームショットの後は肩で息をしているスイーパーを(カメラで)抜いたりとか、好ショットが出た後の満面の笑顔でのハイタッチを狙うとか、カーリングを知っている配信チームによるカメラワークは「分かってるなあ!」と言いたくなる映像が多かったですね。

「ブラック企業のような」反省点

――一方で、本橋さんが反省されている点もあると聞きました。

本橋 彼らの熱量やカーリング愛に甘えて配信クルーに無理をさせてしまったのは大きな反省点です。機材のセッティングや撮影、実況などなどをお任せして1日3試合をフルで中継してもらって、それが4日間、4大会続いたので、最後のアドヴィックスカップの時はみんな変なハイテンションになっていましたね。

 みんなで作り上げている感はすごく楽しかったのですが、ブラック企業のような労働を強いてしまったので、もうちょっとラクに担当してもらえるようにしたいです。そのためにはボランティアスタッフというよりも、しっかりとしたお仕事として依頼できて、配信をすることでそのコンテンツで何か広がりを作れるような発展を今、またみんなで考えているところです。

――プレーした選手からの意見はいかがでしたか?

本橋 夏の時期にしっかり試合ができてありがたいとか、ミックスダブルスやジュニアの大会が増えてもいいかもしれないとか、多くの声をもらいました。