離婚の事情は人それぞれ。とはいえ一度はお互いを信頼して結婚したはずの二人がスピード離婚をしてしまうのにはそれなりの理由があるようだ。今回はスピード離婚した経験のある3人の男女に、離婚決断の経緯やその理由を聞いてみた。
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結婚して、「あれ、そんなケチだったの?」
ゲーム会社に勤めていた34歳の女性・堀田亜美さん(仮名)。都内の一等地にある裕福な家で何不自由なく育ち、社会人になって知り合った37歳の男性と29歳の時に結婚した。
「相手の男性はご両親が教師で田舎生まれのお坊ちゃん。性格は穏やかで優しかったし、マーケティング会社の役員だかで年収も1500万円くらいはあったはず。結婚前に源泉徴収票を見せられたことがありました。
ただ、正直に言えば私は実家が裕福だったし自分でもそれなりに稼いでいたので相手の収入にそこまでこだわりは無かったんです。まじめに働いている優しい人であれば一緒にやっていけるかなと思って結婚したんですが、そう簡単じゃなかったですね。
結婚して一緒に暮らし始めたら途端に彼は豹変して、まず、めちゃくちゃケチだったことが発覚しました。結婚前は『家賃も生活費も全部僕が出すから大丈夫だよ』とか言ってたんですが、ある日何かの拍子で喧嘩になって口論するうちになぜか家賃を半分払えって言い出したんです。ホントに小さい男ですよ。『約束が違う!』とかグチャグチャ言うのも嫌だったからスパンと払ったし、その月から別れるまでずっと払い続けました」
それでも、お金の話だけならまだ何とかなると思っていたが、次第にモラハラ体質も顔を出すように。堀田さんは結婚後も仕事を続けていたが、共働きにもかかわらず、家事全般はすべて堀田さんの担当だった。
「元旦那は家事も一切やらないから、なし崩し的に全部私。そのくせ細かく注文ばかりつけてくるんです。たとえば食事もすべて私が作っていましたけど、出来合いの御惣菜とかを買ってくると『手作りじゃない』と文句を言ってくる。食費とかもほとんど私の財布から出してたんですよ。
洗濯物にもうるさくて、洗い方が悪かったみたいで『これは高い生地なんだから、洗濯機じゃなくて手洗いでこういう手順で洗えよ』とか言われたときにはさすがにブチ切れました。もうアホかと。
束縛も酷くて、私が退社するときは『帰るコール』というか、帰宅する旨をLINEで報告しろと言うのに、自分からそういう連絡をしてきたことはありませんでした。結局、元旦那はお嫁さんじゃなくて家政婦が欲しかったんでしょうね」
モラハラ夫に耐え切れなくなった堀田さんは、結婚後半年も待たずに離婚を決断し、実家に戻ったという。