映画コメンテーター、タレントとして活躍するLiLiCoさん(52)。明るくてパワフルなキャラクターで、お茶の間の人気者だ。しかし彼女はかつて、母親との関係に悩み、芸能界引退を考えるまで追い詰められていたという。いったい何があったのか。詳しく話を聞いた。(全3回の2回目/3回目に続く)
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母親との関係に悩んでスウェーデンへの帰国も検討
――LiLiCoさんが日本にいらしたのはいつですか?
LiLiCoさん(以下、LiLiCo) 1988年、18歳のときに、おばあちゃんを頼って来ました。私、そのとき日本語なんてほとんど話せなかったけど、おばあちゃんは構わず日本語でどんどん話しかけてくるから少しずつ覚えていって。
――日本に来てからも、スウェーデンにいるお母様とは連絡を取ったりしていましたか。
LiLiCo 今から30年も前で、当時はネットもなかったから最初は文通だったんですけど、メールが普及してからはメールを。母は精神的に参っているところがあって「もし生きてたら来週またメールするわ」みたいなことを送ってくるんですね。それはもう嫌味のように、「もし生きてたら」「元気だったら」「気が向いたら」みたいなワードばかり。
だから私、母が自殺してしまうんじゃないかと思って。
――それはかなり不安になってしまいますよね。
LiLiCo もう本当にここでは言えないような内容のメールを次々に送ってくるから、こちらも相当参ってしまって。当時、母親との関係に悩んでいたことがきっかけで、一度だけ「もうスウェーデンに帰ろうか」と思ったことがあったんですね。2011年に起きた東日本大震災の少し前のことです。
自分は売れないし、今も映画のコメンテーターを続けている『王様のブランチ』(TBS)は、人様が作った映画にコメントをするのがとても難しいとその当時感じていて、仕事のことでも悩んでいたんです。
毎週生放送で、母国語じゃない言葉で時間を守りながらコメントをすることに最初、かなり苦労しました。ずっと「私より上手にできる人はたくさんいるから、その人に任せたほうがいいんじゃないかな」と思っていて。
――日本での仕事に区切りをつけてまで、スウェーデンに帰ろうと思われたんですね。