映画コメンテーター、タレントとして活躍するLiLiCoさん(52)。明るくてパワフルなキャラクターで、お茶の間の人気者だ。一方で、幼い頃から家族関係に悩み、母親との“不仲”も公表していた。

 しかし、2012年に母親の死を経験したことで、心境に変化があったという。そんな彼女に、母親への思いや、家族関係に悩む読者へのメッセージを聞いた。(全3回の3回目/1回目から読む)

映画コメンテーター、タレントとして活躍するLiLiCoさん ©三宅史郎/文藝春秋

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母の真似をして42歳でフルマラソンに出場

――子どもの頃から家族関係に悩んでいたLiLiCoさんですが、お母様が亡くなり、お父様と再会し、新しいご家族ができたことで、しんどかった時期を抜けられたそうですね。

LiLiCoさん(以下、LiLiCo) 私、日本に来ている間に「どうして母はスウェーデンに行ったのか」というのをいろいろと考えていたんですよ。彼女が亡くなったときに「母の足跡を辿ってみよう」と思って、彼女が送ってきた生活の真似をしてみることにして。

 お母さんは毎朝、どんなに雪が降ってもどんなに暑くてもベッドルームの窓を開けていたので、まずはそれをやってみようと。子どもの時は寒かったり暑かったりで嫌だったんだけれど、改めてやってみるとすごく爽やかさを感じて。

 あと、母はマラソンをやっていたから私も高知でフルマラソンに出場してみたんです。ゴールしたときは、なんだか彼女の気持ち良さがわかった気がして、涙が止まらなくなっちゃって。そのとき、私はろくに練習もしてなかったし、42歳だったからゴールまですごく時間がかかっちゃったんだけど。

ロングインタビューに応じてくれたLiLiCoさん ©三宅史郎/文藝春秋

――お母さんが感じていた感覚を、五感で捉えなおしてみようとしたのですね。

LiLiCo そうそう。「あ、母ってこういうことを考えていたんだ」とか。でもよくよく考えたら、母は10キロくらいしか走っていなかったらしいんですよ。なんで私はフルマラソンに出ちゃったんだろうと思って(笑)。