〈あらすじ〉
2010年、自給自足で生活するキリスト教一派の村。穏やかな日常の裏で、女たちは気づかぬうちに意識を失わされ、強姦されていた。男たちはそれを「悪魔の仕業」「作り話」と否定してきたが、ついに事実が明らかになり、犯人が逮捕される。
オーナ(ルーニー・マーラ)ら村の女たちは大きな納屋に集合し、「男たちを赦す」「残って闘う」「出ていく」という選択肢について投票を行う。そして男たちが保釈されるまでの2日間、自分たちの未来を話し合い、ある決断を下す。
〈解説〉
実際の事件を基にした小説を映画化。架空の村を舞台に、女性たちが対話を重ね、尊厳を取り戻す姿を描く。女優のフランシス・マクドーマンドがプロデュース(出演も)、『テイク・ディス・ワルツ』のサラ・ポーリーが監督・脚本。第95回アカデミー賞脚色賞受賞。104分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆開拓時代の話かと思ったら、ほぼ現代。宗教や信心に興味が薄い身にはキツイ。贔屓のF・マクドーマンドの演技に注目。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆腹にずしりと来る話に見えて、意外に不敵な笑いも潜む。プロテスタントの語源は、権威や専横に対する抵抗なのだった。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆雑事を任され、性具や孵卵器にされる女たち。娘をどう守るか話し合う104分。気づかぬ者には、理解不能な怖い実話。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆硬質のディベート映画。新しい世界に向けて人権の体系を公式化した寓話の強度がある。モンキーズの曲の使い方も痛烈。
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洞口依子(女優)
★★★★★カルト的コロニーを背景に筋量の優れた会話劇と映像の構築の秀逸さ、ポーリー監督の凄みが響く。B・ウィショーに星。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
INFORMATION
『ウーマン・トーキング 私たちの選択』(米)
6月2日(金)よりTOHOシネマズ シャンテ、渋谷 ホワイトシネクイントほか公開
https://womentalking-movie.jp/