「三人目のダウンタウン」
ああ、自分の役割がわかってもらえたなと、たまらなくうれしかったことを覚えています。
完全な人間などいない
僕は笑いの才能というものを信じています。
音楽で、小説で、演劇で、絶対的にその意見が正しい天才もいるかもしれません。でも、大抵の場合、完全な人間はいないんです。
すべてのことが「白が絶対に正しい」「黒が絶対に正しい」ということも、現実の世界ではありません。お笑いではトップクラスのダウンタウンであっても、そうだと思います。
「絶対だ」と思っても、それは自分の主観です。相手の主観とは異なり、相手は相手で「絶対だ」と思っている──当たり前の話です。
・白という自分の主観を知る
・黒という相手の主観を知る
・自分と相手の人格や立場が違うことを知る
・白は黒を、黒は白を理解する
・白と黒の中間「グレーの答え」を考え出す。あるいはグリーンかも、ピンクかも、と考えてみる
こんな「七色の練習」をすると、自分を知ることができるし、相手を知ることもできます。その結果、無意味な対立をすることもなく、落としどころが見つかる。これは課題解決ということだと僕は解釈しています。
「七色の練習」をしてみる
ちょっと応用して、自分自身の中でも七色の練習は可能です。
・A社に入りたいという希望
・A社に入るのは無理だという現実
・希望と現実の中間の「落としどころ」は?
さらに応用して、他の視点はないかと七色の練習をしてみてもいい。
・大学を出ておかないとダメだという世間の常識
・お金がなくて無理だという現実
・常識と現実の中間の「落としどころ」は?
落としどころに正解はありません。でも、この繰り返しによって自分自身への理解は深まるし、相手のことを思いやれるし、世の中も違って感じられるし、ものの考え方が豊かになります。
「相手を理解しよう」という、感性とコミュニケーション力を使う練習で、わりと力はつくと思うんです。少なくとも「絶対に正しいことを証明する論理の組み立て」よりも、したたかでタフで、意外に使えるやり方です。