「あと5年も経ったら、“よしもと”はこの世から無くなってるんちゃうやろか……」

 吉本興業の大﨑洋会長は、コロナ禍の最中に、そんな危機感を覚えたという。

 2009年に吉本興業の社長に就任し、お笑い芸能事務所から総合エンタメ会社へと大きく成長させ、昨年からは会長職に就いた大﨑洋さん。

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 これまでは「裏方の自分は表に出ないということをよしとしてやっていく」と考えていたが、「去年の騒動もあり、ちゃんと発信していかないといけないと考えるようになった」という大﨑さんは、昨年末から、トークショーやラジオ番組などで自ら語る場を設けるようになった。そこでさまざまなテーマについて語ったことが、このほど『吉本興業の約束 エンタメの未来戦略』(文春新書)にまとまった。対話の相手は、キングコングの西野亮廣さんに紹介され、会ったその日に意気投合し、吉本の社外役員になることを頼んだという『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』(通称『ビリギャル』)著者の坪田信貴さん。

大崎洋さん(左)と坪田信貴さん

 所属タレント約6000人を擁し、多くの人に笑顔を届けながらも、時には問題も起こり批判の矢面に立たされることもある中、吉本興業はいかにして、タレントとの信頼関係を築き、時代の変化に対応しようとしているのか。

『吉本興業の約束 エンタメの未来戦略』の中から、漫才コンビ、ハイヒールのリンゴさんとモモコさんをゲストに迎え、タレントとマネージャーの関係について語り合った部分を紹介する。