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 なぜ「つばめ屋」を女将が引き受けることになったのだろうか。女将に質問してみるとその経緯が分かってきた。「聞きたい? 話すと長いわよ」といいながらマシンガントークがスタートした。

 息子さんは1月に開業後柏と平和島を行き来する過酷な状態になり体調を崩してしまい、3月から一時閉店状態になっていたという。「当初は店を手放すかという話もあったけど、せっかく息子がイチから作ったものだからもったいないでしょ? それで自分がすべて引き取るカタチで5月に再開させたのよ。1・2号店があるから、ここは3号店と呼んでるのよ」というのだ。

72歳女将の多忙な日々

 なるほど、それで会話に「1号店」とでてきたのか。しかし、店を2つもやっていて、さらに3号店として引き継ぐのはかなり根性がいる決断だったのではと質問したところ、次のような人情が滲み出た回答が返ってきた。

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「ここが15時に終わると、夕方から2号店にいってスナックを営業するわけよ。そして翌日朝4時過ぎにはここにきて仕込みをするから、すごく大変なの。でもね平和島にはトモダチも多いし、大切な場所だしね。みんなからチカラを借りてるから店もやっていけるのよ。私も72歳で大病もした。そして復活して今があるから元気な時はできるところまでやってやろうじゃないのと思うわけよ」とあっけらかんとした雰囲気である。

2軒となりの1号店「立ち飲み処きみちゃん」

 女将は60代の時に脳梗塞、そして去年は肺がんの手術をしたという。大丈夫なのだろうか。「満身創痍だったのよ。そうは見えないでしょ。ピンピンで。でも去年まではもう辛くてね。健康が戻った今は本当に嬉しいのよ。だから営業するわけよ」と続ける女将。話を聞きながら追加注文した女将お手製の「明太子入りおにぎり」は大きくて格別な味だった。