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ーー物価高はどうですか?

みっつん 卵はちょっと高くなったかな。ちゃんと比べてないけど、全体的には上がってます。

リカ バターも高くなっちゃって。

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みっつん スウェーデンではベイキングが盛んなので、バターが指標になるよね。

将来は、日本とスウェーデン、どっちに住みたい?

ーー日本に来て数ヶ月が経っていますけど、スウェーデンと比較して、暮らしやすいものですか。

みっつん コンビニでワイシャツを売ってたのは感動しましたね。急にワイシャツが必要になったけど、持ってきていなかったので「ひょっとしたら売ってるかも……」ってコンビニに行ったら、本当に置いてあった。そういったビックリするほど便利なことが多いですよね。あと、ベタだけどご飯が美味しいし。

2019年夏、日本滞在を楽しむふたりぱぱ一家(本人提供)

ーー今後、日本に住む可能性は。

リカ 子供を育てる場所として、日本はとてもいいと思います。もちろんスウェーデンもいいので、どっちがいいかはまだわからないですね。

 ただ、日本の法律では僕らをパートナーとして認めてもらえないので、そこがちょっと問題。

みっつん 今回関わった区役所や学校の方々は好意的だし、助けていただいていますけど、やっぱり制度が変わらないと、現場の人だけではどうしようもできないことが多いので。

ーー今回の滞在で問題になったことは、なにかありましたか。

みっつん 今回はなかったんですが、前回来日した際はコロナ禍の最中で、リカの入国に配偶者ビザが必要だったのですが、それが下りなかったんです。

 だけど、国会である議員さんが「異性の夫婦だったら配偶者ビザが出せるのに、なぜ同性のカップルには出せないんだ」といった質問主意書を出してくれて、それに当時の鈴木貴子外務副大臣が答弁をし、「じゃあオッケーにしましょう」となりました。実際、そのおかげで去年の夏は日本に入れたんですよね。

 大きい法律を変えるとなるとメチャクチャ大変だけど、できるかぎり変えようとしている政治家もいるんだなって気付かされました。

 

ーー変わってきてはいると。

みっつん 国会のなかでも、一進一退しているような印象です 。

 日本はいいところがいっぱいあるし、僕も彼も日本が大好きだし、彼は日本に10年以上住んでいたこともあるので、もちろん住みたい気持ちはあります。今後、日本に住むことを検討するとなったら、やっぱり一番のハードルは僕らの結婚が認められないことと、差別を明確に禁止する法律がないこと。

 先週、国会で成立したLGBT理解増進法案には、婚姻の平等やLGBT差別禁止は含まれていません。むしろ、理解を増進するように見せかけて、私たちのような存在を教育現場からも排除できる口実を与える法案になってしまいました。ぜひ、これを読んでいただいている読者のみなさまにも関心を持っていただきたいです。

 僕らがロンドンに住んでいたときにはパートナーとして認められて与えられたビザが、僕の国では与えてもらえない。それは他の異性間の国際カップルに比べて、とても不公平であり、合理的な理由のない国による差別だと思います。

その他の写真はこちらよりぜひご覧ください。