〈あらすじ〉
元上等兵のウィリアム・テル(オスカー・アイザック)は、イラク・アブグレイブ刑務所での捕虜虐待で有罪になり、8年間服役した。服役中にポーカーのカード・カウンティングという技術を習得し、出所後は「小さく賭けて小さく勝つ」をモットーに、カジノとモーテルを渡り歩く日々を送っていた。
あるカジノで、元上官ゴード(ウィレム・デフォー)と、ゴードに恨みを持つ青年カーク(タイ・シェリダン)と運命的な出会いを果たす。ウィリアムはある思惑のもと、ギャンブル・ブローカー、ラ・リンダ(ティファニー・ハディッシュ)の誘いに乗り、ポーカーの世界大会に出場する。
〈解説〉
謎めいたギャンブラーの復讐と贖罪を描くスリラー作品。監督・脚本は『魂のゆくえ』のポール・シュレイダー。112分。
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中野翠(コラムニスト)
★★★☆☆天才的ギャンブラーの痛快話かと思いきや贖罪の話なのか。全編を支配する重苦しさに耐えられず。完全に好悪の問題。
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芝山幹郎(翻訳家)
★★★★☆P・シュレイダー、健在。力強さは衰えていないし、粘液的で重いパラノイア体質が濃厚。やや生硬なところも相変わらず。
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斎藤綾子(作家)
★★★★☆過去の恐ろしい記憶が内面を傷つける、その映像に震えあがった。悲しすぎる展開だが、手に入れた想いを諦めないで。
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森直人(映画評論家)
★★★★☆シュレイダー節全開な賭博師の復讐譚に痺れる。特に『ローリング・サンダー』を想起。主人公のキャラ造形が抜群だ。
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洞口依子(女優)
★★★☆☆救いを求めるギャンブラー。登場人物とポーカーの比喩的関係。アブグレイブの悲劇を巧妙に祓うシリアスな脚本の妙。
- もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
- 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
- 料金の価値は、あり。★★★☆☆
- 暇だったら……。★★☆☆☆
- 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
INFORMATION
『カード・カウンター』(米、英、中、スウェーデン)
6月16日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷、シネマート新宿ほか全国順次公開
https://transformer.co.jp/m/cardcounter/