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 最近2週間の仕事は、まず4日連続でテナントが出ていったオフィスビルの後片付け。間仕切りの解体撤去、床面のカーペット剥がしをした。1日休んで、3日連続で引っ越し会社の作業。一般家庭の引っ越しで家具その他をトラックに積み、新居に着いたら搬入してセッティングするというものだった。

「その次は造園会社の下働きが入っていたのですが雨で2日中止になり、もう連絡が来なくなりました。次の日も仕事がなく、週末になってコンビニ弁当の工場の夜勤を3日。こんな具合なんです」

 14日間で働けたのは10日。週休2日ということになるが月給制で働いているわけじゃない。働けなかった日は無収入なのだから死活問題だ。

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「日当もまったく上がりませんよ、人手不足というのなら賃金は上がるのが普通だと思いますがずっと据え置きですから」

©AFLO

食費をギリギリまで切り詰め…

 仕事が入ってこなかったら稼ぎはゼロ。だから生活は切り詰められるだけ切り詰めている。

「やっぱり食費ですよね、もうそこを削るしかありません。肉体労働なので仕事が入ってきた日は3食しっかり食べているけど、あぶれた日は2食で我慢。近くに大きなスーパーがあるのですが、そこでお昼にメガ盛り弁当を買って昼夜2回に分けて食べています。普通サイズの5割増しぐらいの量があるので助かりますね」

 日雇い労働者の年末年始この年末年始はギリギリの生活だった。

「12月6日の明け方頃から38度の熱を出してしまいまして。動くのもしんどくて9日までの4日間欠勤したんです。体調が戻ったから派遣会社に仕事を入れてくださいと頼んだのですが、当日欠勤のペナルティーなのか3日間も干されてしまい、丸1週間も収入がゼロでした」

 1週間のうち5日働けば4万5000円ぐらいは稼げていたし、ドラッグストアで買った風邪薬代も出さなくて済んだ。とんだ災難だった。

「最終週の土日も仕事が入らず、27日と28日に古紙回収会社の日払いアルバイトをしたあとは1月3日までの5日間休みでした」

 月給制で働いていれば問題はないが、日銭稼ぎで暮らしている身には、休みはありがた迷惑だ。

「毎日、ドンキとまいばすけっとに通っていましたね。ドンキは当日賞味期限切れのパンとかが半額になっているんです。食パン1斤とカップジャムかお惣菜1品だけだったり、まいばすけっとでプライベート商品のほとんど具材の入っていない冷凍海老ピラフを買って2回に分けたり、30 %引きで68円になっているシュウマイとかウインナーソーセージを食べていました。栄養失調というわけじゃないけど、何か身体に力が入らなかった」

 世間は大晦日だ、正月だとはしゃいでいたが、まったく関係なし。

「大晦日ぐらいは浴槽に浸かりたかったので近所の銭湯へ行きました。帰りに缶チューハイとポテトチップスを買い、ポケットラジオで紅白歌合戦を聴きながらチビチビやっていましたよ」

 風呂代と合わせても680円ほど。1年の締めにしてはしみったれている。