実際、今のゲーム業界の流行は、新規ファンの獲得と自社の看板タイトルの有効活用を重視して「ナンバーリングの撤廃」の方向性にあります。ただ、この吉田プロデューサーの言葉から分かることは、作り手たち自身が「FF」というブランドの将来を考慮し、“聖域”を設けずにあり方を模索して、その上で今回はナンバーリングの利点を生かす決断をした……ということです。
FF16は「FF7」になれるのか?
タイトルひとつとっても、こうやって最も良い形を探っていく――。こうした作り手たちの作品を大切にする姿勢がもたらした好結果が、300万本というスタートダッシュだったと言えるのかもしれません。
そのうえで重要になるのが、今後どこまで長く売れるのかということ。ゲームソフトは瞬発的に売れてその後は売れなくなる傾向がありますし、先に挙げた3つの期待はそもそも長く売れないと実現されないからです。
もう四半世紀前の話になりますが、初代PS本体の購入時に一緒に買うソフトに「FF7」を選ぶという経験をした人は多いでしょう。同じようにFF16が長く売れ続けて、累計出荷数を積み上げることになれば、巨額の投資を強いられる大作ゲームにとっても歓迎すべき話です。
ファンにも、クリエーターにも愛されるこの大作ゲームは、今後どこまで売れ行きを伸ばすのでしょうか。
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【参考】How Final Fantasy 16 reinvented a "stale" 35-year-old franchise
https://www.gq-magazine.co.uk/article/final-fantasy-16-interview