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“女はわきまえろ”には意図があった
――「男は外で仕事、女は家庭」という伝統的な性別役割分業のあり方が、戦略を持って脈々と受け継がれてきていたのですね。
安藤 このことを発見したとき、私たちに向けられてきた“わきまえた女であれ”という認識は、政党が意図的に再生産してきたものだったのかと、本当に驚きました。
突然種が蒔かれて花を咲かせたわけではなく、その花を植え替えて植え替えて植え替えてきた。つまり、自民党と、それを与党として支えてきた社会がずっと、「イエ中心主義」を植え替えることを許し続けてきたんです。
女性がイエの従属物であるということが、家庭にとっても、ひいては国家にとってもきわめて経済的に有益であるという結論のもと、今日までそのことに対しての見直しが行われなかった。
私たちはそんなことも知らず、「男らしさ」や「女らしさ」に窮屈な思いをさせられてきた。どれだけ私たちは頭が悪いと思われてきたんだろうと、すごく悔しかったというのが私の本音です。それを皆さんとシェアしたかったというのも、研究を進める上での大きなモチベーションだったんです。