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「私は心配されたかった」

「もう帰ろう」

 そう決めて、お店のオーナーに事情を説明し、私は家に戻った。

 家に戻った私に対して母は何も言わなかったが、ホッとしているのが表情から見てわかる。

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 照れくさくて、恥ずかしくて、お互い何も言えなかったが、小山駅での母の姿がすべてを語っていた。

 そう! 私は“心配されたかった”のだ。

 その後、私は母がスナックをやっている古河市のやくざの親分の姐さんのところで預かりの身となった。母が言うには「私じゃ手に負えないから、姐さんにかおりの面倒をお願いした」とのことだったのだ。もういい加減母に心配をかけられないと、私は姐さんのやっているスナックで働くことになった。

 姐さんはとってもいい人で、本当の娘のように接してくれていて、かわいがってくれていた。

 スナックで働きだした半年後、私の人生最大級のできごとが起こる。

 レディース暴走族「女族」の立ち上げだ。(#2に続く)