夏である。夏といえば、海だ。海辺に行ったところで暑いのは変わらないし、砂浜は火傷するほどに熱い。だから海水浴をするわけでもなければ、夏だからといって海に行く道理はない。ないはずなのだが、なぜか海に惹かれるのが夏である。そして、首都圏において、海といえば湘南である。
そういうわけで、「湘南」と名の付く駅がどれくらいあるのかを調べてみた。すると、出てきたのは5駅。このうち、3つまでが湘南モノレールの駅だ。もうひとつは、江ノ電の湘南海岸公園駅。どれもおおざっぱに言えば江ノ島という湘南の象徴のようなところの近くに集まっている駅である。そしてもうひとつは、湘南台駅という。
“ナゾの終着駅”「湘南台」には何がある?
湘南台駅は小田急江ノ島線の駅だ。そして、相模鉄道いずみ野線と横浜市営地下鉄ブルーラインも乗り入れている。相鉄と地下鉄は、どちらも終点の駅だ。さらにいうと、相鉄線は2023年の3月から東急線への直通運転が始まっている。その直通列車の終着駅のひとつが、湘南台駅である。
昼間でいえば、1時間に2本の東武東上線方面からの列車が「湘南台行き」。つまり、湘南台駅はこの春に一躍“ナゾの終着駅”に躍り出たというわけだ。それでいて、“湘南”とくれば、もしかすると東京都心からいちばん行きやすい“湘南”なのかもしれない。果たして、どんな駅なのか。
さっそく湘南台駅に向かうべく、相鉄線に直通する東急東横線に乗って……といいたいところだが、実のところ都心から湘南台駅にいちばん早く到着する手段は小田急線である。
新宿駅から小田急線の快速急行に乗っておよそ50分で、湘南台駅に着く。東横線経由では、1時間ちょっとかかるから、どうみても小田急線が優位である。なので、終着駅などと振りかぶっておいて申し訳ないですが、小田急線に乗って湘南台駅にやってきた。