大手不動産企業「オープンハウス」が、同社で物件を購入した顧客に対し、「ローン代行事務手数料」という名目で、売買の仲介手数料とは別に手数料を請求していたことが「週刊文春」の取材でわかった。
不動産会社が住宅ローン斡旋手数料などの名目で手数料を受け取ることについては、国土交通省が宅地建物取引業法に違反する可能性を指摘しており、仮に顧客から手数料として金銭を受け取っていた場合、これに該当する可能性がある。
都心の戸建住宅を安価で提供することで成長を遂げてきたオープンハウスグループ。2013年の東証一部(現・東証プライム)上場以降、急成長を続け、2023年度にはグループ連結売上高1兆円という大台突破を見据えている。
だが、その裏では様々な問題が指摘されている。
「週刊文春電子版」は、今年6月15日配信の記事で住民との“欠陥”住宅トラブルを報道。以降、編集部にはオープンハウスに関するトラブルの告発が続いており、これまで5回にわたって記事を掲載してきた。
仲介手数料とは別に11万円を請求され……
そして今回、新たに告発したのは都内に住むAさんだ。今年4月、Aさんはオープンハウスから都内の土地を購入した。住宅ローンを組むにあたっては、同社から金融機関の紹介を受けたが、結局、自分で見つけてきた金融機関で融資を受けることになった。ところが、
「オープンハウスから、仲介手数料とは別に『ローン代行事務手数料』として11万円を請求されたのです。自分で探してきた金融機関でローンを組んだのに、何を“代行”したのか。意味がわかりません。『オープンハウスが仲介していない金融機関から融資を受けたのに手数料が発生するのですか?』と訊ねたところ、『オープンハウスを経由してなくても(手数料は)発生します』『住宅ローンの斡旋費用のみでなく、司法書士の先生の手配や売主との決済の調整などご決済までに必要なお手続きの費用としてすべてのお客様にご請求させていただいております』と回答がありました」(Aさん)
身に覚えのない手数料の請求。「明らかにおかしい」と思ったAさんは、不動産業について定められた宅地建物取引業法の詳細を調べた。