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人骨が発掘された土地は“心理的瑕疵物件”と言えるのか

 2021年1月、Aさんは「人骨の発見は心理的瑕疵物件にあたり、精神的な苦痛を感じること」などを理由に、ディベロップメント社に、土地価格の3%の減額を求める交渉を開始した。

 ところが、ディベロップメント社は一切対応しようとしなかったという。

「〈当該人骨は100年以上前に埋葬されたものであり、事件性はないと判断される〉〈本来、木造住宅の建築時には掘削しない深さ約2.5mの地中であること〉などの理由を並べて、〈一般的に心理的抵抗を生じさせるものではない〉と減額に応じることはありませんでした」(同前)

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オープンハウスからの回答

 人骨が発掘された土地は“心理的瑕疵物件”と言えるのだろうか。事故物件の情報提供サイト「大島てる」代表の大島てる氏に聞いた。

「人骨が発見された物件情報はすでにサイトに掲載されています。今回のケースも事実関係がしっかり把握できれば、サイトに掲載されます。また、一般的に人骨発見によって不動産の資産価値が下がることが多いのも事実です。

 ただ一方で、土地で人骨が発見された場合、資産価値の下落などをおそれ、そのまま埋め戻して顧客にも伝えない悪意のある業者も結構いる。その点、オープンハウスは正直ですね。一連の対応を聞く限り、そもそも人骨が発見されたこと自体、大した問題ではないと考えているように見えます」

 オープンハウスグループに、Aさんの要望に応じなかった理由などを聞いたが、こう回答があるのみだった。

「個別の取引内容については回答致しかねます」

 だが、問題はそれだけではなかった——。現在配信中の「週刊文春 電子版」では、「人骨の発見」を巡る対応でAさんが許せなかったことに加え、Aさんに対して銀行に虚偽の申告をするように指示したオープンハウス営業マンの“不正営業”疑惑についても詳しく報じている。

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