この記事を読んでいるあなた。そう、あなた、あなたが過去に「変だな」と思う車両整備や車検、保険取り扱いがあるようであれば、いますぐこちらの窓口に書式揃えて「変だったぞ」と通報してみてください。
指定自動車整備事業者における不正車検通報窓口のご案内
https://www.mlit.go.jp/jidosha/fuseishaken_tsuho.html
通報窓口などからの不正取引の相談は5年間で4万件以上
あまりにも不正の種類や件数が多くてめまいがする状態なのですが、それもそのはず、ビッグモーター社の悪しき業界慣行が産経新聞により報じられたのは2016年であり、しかもこれらの問題はその5年前の2011年からビッグモーター社内で行われていたと指摘されています。
折しも、ビッグモーター社が2012年7店舗だったものが2016年には97店舗と急拡大している時期に行われていたものであることは間違いなく、中古車販売を本業とする上場企業も買収して拡大基調にありました。これらの猛烈なノルマ主義によって支えられた成長路線は、結果的に、ヤバいことでも除草剤散布でもなんでもやって、客を食い物にしないと達成できない目標を背負わされた現場によって実現されてきた面もあります。
そして、国会が開けば議員から質問も多数飛び出すでしょうが、国土交通省でもこれらの問題は一部把握されており、通報窓口などからの不正取引の相談は5年間で4万件以上にも上ると見られます(証拠が揃わず調査に着手できないなど、窓口が正式に受理できた件数は少数であるとも言われていますが)。言うなれば、10年以上前からビッグモーター社の適切とは言えない取引は業界の中でも知るところとなっていたが、なんとなく行政対応するべき機運が生まれずそのまま15年ぐらい経過しちゃった、ということになります。
国土交通省の人たちも「疑わしいけど確証はなく、いずれ爆発するものという認識はあった」ようなので、人事のたびに申し送りされる赤ひげ危機一発のようなものだったのでしょう。
23年1月に第三者委員会が設置されるが…
最初にビッグモーター社に関するタレコミなどから日本損害保険協会の知るところとなったのは2021年9月ごろからで、翌22年に損保ジャパン、東京海上日動、三井住友海上3社がおのおの抜き取り調査を実施した結果クロ判定。さすがにマズかろうということで、一斉にビッグモーター社への事故車両などの入庫誘導・紹介を停止しています。そりゃそうですね。
しかし、ビッグモーター社が「(保険金の不正請求などの)疑いとなる事案は(担当した工場の)スキル不足や連携ミスによるもので、組織的な不正ではない」と回答し、それをうっかり信じた損保ジャパンが報告を受けた翌月22年7月には疑いは晴れたとばかりに入庫誘導を再開。あ、保険加入の件数を増やして売り上げが欲しかったんすね。
ビッグモーター「調査報告書」その内容は?
https://www3.nhk.or.jp/news/special/sakusakukeizai/20230714/605/