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 ただ、なにぶんビッグモーター社はビッグモーター社ですので、翌々月の9月には再び派手にやらかして工場長ら(当時)による会社ぐるみの組織的関与が告発され、これが発覚すると、損保ジャパンがまた入庫誘導を取りやめ。さすがにアカンやろということで、23年1月にビッグモーター社の中で第三者委員会が設置されるも、その報告書は一部が隠蔽された形でひっそりとビッグモーター社のサイトの中に掲載され、何事もなかったかのように騒ぎを黙殺し、スルーするタマホーム作戦に打って出ます。

どういう着地とするべきか

 不正請求問題にあたっては、東洋経済オンラインが22年8月から年末にかけて、ビッグモーター社と損保ジャパンほかの問題について中村正毅さんが記事にしておりましたが、そこから約10か月かけて、ようやく代表取締役の辞任も含めた事後対応を軸とした記者会見と、国土交通省や金融庁からの怒られに発展することになります。

 さらには、ビッグモーター社が車両用部品や修繕において下請けで使っていた会社からの告発(下請法違反)や、本来取り扱う顧客の個人情報は自動車修理など特定業務を実施するためだけに使われるべきところ、不正に名簿屋などに売却されていた疑いなども取り沙汰され、内部通報制度に不備があったとの指摘も出たため、公正取引委員会や個人情報保護委員会、消費者庁マターの事案も出てきています。何というか、いまごろ出てきたオールスターな感じすらします。

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 もちろん、刑法詐欺罪での告訴が結成される被害弁護団から出されるとなれば、警察庁や法務省の話にもなり、本社のある六本木ヒルズに東京地検特捜部が段ボールもってやってくることもあり得ます。そのぐらい、熱量の高い事件となり大炎上前の焦げ臭さを強く感じます。

 問題は、ビッグモーター社に限って言うならば、本件はどう着地させるべきかになってきます。

少なくとも、2011年から現在まで26万台以上の再検査と補償が必要に

 かつて、大変な問題となった耐震偽装問題(2005年)では姉歯建築設計事務所とヒューザー社が断罪され、広く耐震偽装に関わったとされる一級建築士や建築事務所、建設会社の問題は不問とされ、その代わり、建築基準法が改正されて、実質的に問題に蓋がされましたが、こちらも建設と設計というプロが関わる仕事で起きた、利益優先の民間が適当にやった仕事の結果、業界全体が不信感に見舞われるという一件となりました。

 この耐震偽装問題の根幹は、99年に建築確認申請制度において、建築設計における確認検査処分を民間確認検査機関に委譲できるようになったことです。これまで地方自治体に置かれた「建築主事」が携わる業務を、民間でもおこなえるように開放したため、本来なら疑われることがない前提で運用されていた 国土交通大臣認定の構造計算プログラムの改竄を行い、その改竄された計算結果で建築確認申請が承認されるという、民間委託あるあるが勃発した結果、4万棟以上とも言われる耐震偽装の疑いがある建築物があるのではないかと大きな騒動となったのです。