帰港30分前に竿をぶち曲げる回遊到来!
17時に迎えの船が来るため、片付けの時間を考慮すると釣り時間は16時40分まで。とても夕マヅメチャンス(日没前後の薄暗くなった時間帯でアジの回遊が顕著に訪れること)とは言えない時間帯だが諦めずにコマセを撒いていたところ……ついに竿が弧を描いた。単発ではあったものの、尺アジ2匹の回遊を押さえることができた。
駄目かと思っていただけに朝一の釣果よりも一人歓喜に沸いた。船長の言っていた“ポツポツ”とは“10時間に一回の周期”だったのかもしれない。残酷すぎる……!
一度カワハギ釣りを挟んだとはいえ、終始サビキ仕掛けを投入し続けた結果、目標である巨大アジを含めて6匹の釣果をあげられた。
実は釣り専用筏は能登半島に限らず西日本を中心に穏やかな内湾では珍しくない。私のホームエリアでもある房総半島や三浦半島でも漁協が運営する釣り筏があり、何度か利用したことがある。
筏釣りの魅力は何と言っても船釣りのような魚影の濃い海域でオカッパリ(岸からの釣り)のように腰を据えて釣りができるところだ。さながら船釣りと岸釣りの良いとこどりをしたハイブリッドスタイルといえるだろう。
また、パーソナルスペースの広さと、相乗りでなければ竿を複数本出して節操なく釣りができる自由さもある。
以前、千葉県の筏に乗った時はサビキ釣りでカタクチイワシを釣ってそれを泳がせてイネゴチやアオリイカを釣り、同時にカワハギを狙いつつちょい投げでキスを狙うなど、思いつく限りの釣りを全て解放した。そのような釣り座を船釣りよりも安い価格で享受できるところに筏釣りの真価がある。
お近くに筏釣り場があれば挑戦してみてはいかがでしょうか。
写真=ぬこまた釣査団(大西)