露天風呂付きで釣りまでできる石川県・能登半島の和倉温泉「多田屋」。2泊3日の“温泉釣り旅”の後半をレポートしたい。(全2回の2回目/前編を読む)
プライベート桟橋で大物狙い!
2日目はプライベート桟橋で釣り倒すため、多田屋でもっともリーズナブルな基本客室へ移動した。つまり部屋には戻らないという覚悟だ(というのは冗談だが……)。基本客室は10帖の和室と応接セットで構成されたシンプルな造りで、ここでも穏やかな七尾湾を中心とした能登の表情豊かな景色を堪能できる。
桟橋は1階の「貴賓室 利久」へ繋がる廊下から屋外に出るとすぐに到着する。桟橋の全長は20mで、水深は手前から段々と深くなり、先端で2mほどの深さになる。
今回訪れた6月は海藻が豊富で、桟橋の付け根から水中を覗くと、クロダイの幼魚であるカイズの群れや40cmはあろう大型の個体まで目視で確認できるほど魚影が濃かった。
実際に旅館の釣果情報を見るとスズキやアジ、キスなどの釣果も上がっており、子どもの釣り体験の場としても利用できそうだ。
私の狙いは宿を予約したときからクロダイで、調理サービスを利用して新鮮なお造りを食べることが今回の目標でもあった。そこで桟橋では「吸い込み釣り」と言われる集魚剤を使ったシンプルなダンゴ釣りで挑んだ。
●タックル(すべてダイソー釣具でもOK!)
ロッド:ちょい投げ用ロッド(2m前後)
リール:3000番(ナイロンライン3号)
仕掛け:コイの吸い込み仕掛け(釣具屋の淡水釣りコーナーにある)
コマセ:アミコマセ1キロ+クロダイ用集魚剤を配合
●釣り方
(1)吸い込み仕掛けの針にオキアミを付ける
(2)らせんを覆うようにコブシほどのダンゴを硬めに握る
(3)リールのラインを放出できる状態にしてダンゴを足元に投げる
(4)ラインが少し張る状態までリールを巻いてアタリを待つ
目視でクロダイが確認できるほど群れている場合は、高確率で集魚剤に寄ってきて餌を食べる。ぶっこんで15分ほど放置できる吸い込み仕掛けが一番効率よく、かつテクニック不要で狙える。
14時から釣りスタート。開始早々にアタリはでるがとにかくフグが多く、餌の消耗に悩まされた。
調理サービスは食事の1時間前(食事が19時なら18時が締め切り)までに魚をスタッフの方に渡す必要がある。時間がゆっくりと流れる旅館の中で一人だけ3倍速で時間と戦っているのはいかがなものかと省みたが、これも1つの過ごし方だろうと言い聞かせた。