石川県能登半島にある七尾湾は、能登島を中心に北湾、西湾、南湾の三つに分かれており、沖合は寒流と暖流がぶつかるためプランクトンが豊富で好漁場になっている。そうした環境から「天然のいけす」とも呼ばれる七尾湾の北湾では一風変わった景色が見られる。
海上にポツンと浮かぶ正方形の筏
グーグルマップを拡大していくと海上に正方形の筏(イカダ)が無数に存在しているのが分かる。一見、養殖いけすに見えるがそれぞれ独立して浮いており、瀬戸内海でよく見られる牡蠣の養殖棚や千葉県富津沖にある海苔の養殖網とは様子が違う。
実はこれらは全て釣り用に係留された筏なのだ。今回は七尾湾にポツンと浮かぶ釣り専用筏に乗って、岸釣りではスーパーレア級のターゲットである巨大アジを狙ってみた。
能登の筏釣りを知ったきっかけは、石川県七尾市にある「お部屋から釣りができる旅館 多田屋」に宿泊するにあたって、近隣でアジ釣りができる釣り場はないかと調べていたときのこと。
筏釣りの代表的なターゲットは一般的にクロダイやマダイだが、能登半島の筏釣りでは大きなマアジの釣果がひと際目立っていたのだ。アジ釣り好きの私としては筏に乗るほかないと思い、いくつか船宿があるなかで釣果情報を得やすかった「大久保の釣り筏」さんで予約をした。
早朝4時前に向田漁港に集合するとすでに3名のお客さんが乗船準備をしており、全員の準備が整い次第すぐに出船した。