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身長170cmで体重は30キロ台、笑うと頭蓋骨の形が…ミス日本・河野瑞夏(22)が語る、摂食障害に苦しんだ大学時代

河野瑞夏さんインタビュー#1

2023/08/12
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差し入れのシュークリームを一口かじって捨てて「私、なにしてるんだろう」

――おにぎりが“糖質の権化”に見えたとのことですが、いままで食べてきたものを拒否してしまうわけですよね。

河野 当然のごとくお菓子は食べられなくなって、チョコとかは完全に無理になってしまったし。うどんなどの麺類も“糖質の権化”になってしまって、食べている人に対しても「信じられない」って。

――でも、どうしてもたべることを避けられない場面があったのでは。たとえば、誕生日を祝ってもらってケーキが出てくるとか。

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河野 そういった場面はありましたね。その時はケーキを食べるんですけど、後から罪の意識がすごい押し寄せてくるんです。

 大学ではダンスサークルに所属していたんですけど、学祭のときに先輩が皆にシュークリームを買ってきてくれたんです。「これ食べて、本番がんばるぞ!」って皆はワイワイしているんですけど、私はどうしても食べられなくて。一口だけかじって、紙ナプキンで包んでこっそり捨ててしまったときは「私、なにしてるんだろう」って。先輩や皆を裏切っているような気持ちになって、本当に辛かったです。

母とはすれ違いの生活で痩せすぎに気付かれず

――数カ月後に何キロ減とか、ダイエットの目標値みたいなものはありましたか?

河野 あくまで現状維持を目指していたので、何キロといった数値はなかったです。ただ、体重よりも「自分が頑張っている感」にこだわるようになって、さらに運動量を増やしたり、食事の量を減らしたりして、自分を追い込んでいきましたね。

 体重計に乗っても「減ったな」「増えたな」程度で。体重の増減を気にする摂食障害の方は多いけど、私はそのあたりは気にならなかったですね。

――家ではお母さんの目があったと思いますが、どう対処をしていたのでしょうか。

河野 母は専業主婦で家にいることが多かったんですけど、母が起きる前に家を出て、母が寝てから家に帰っていました。

 あと、母と同じジムに通っていたので、母の知り合いのおばちゃんが痩せた私のことを目にしたんです。そのおばちゃんが、母に「瑞夏ちゃん、痩せすぎじゃないの?」と話したことがあって。

 けれど、自分の娘はそんなことないだろうと思っていたみたいで。というのも、私の親友が摂食障害になって退学してしまったんです。私が間近で彼女の様子を見ていただけに、「瑞夏は大丈夫だろう」って思っていたみたいで。