ズバリと質問したキャスターは?
一方、TBSとともに積極的にジャニーズ性加害問題を報道してきた日本テレビの「news every.」は生中継で会見場の様子を伝えたものの、会見そのものの内容はVTRで伝えたほか、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の代表の平本淳也さんや元ジャニーズJr.の二本樹顕理さんを事前に取材したインタビューを整理して伝えた。
性暴力をめぐる職場環境に詳しい大沢真知子日本女子大名誉教授が生出演して解説していた。
「特に権力。日本の社会の中で権力がある人たちが加害者の場合、まったく黙殺してきて、見て見ぬふりをして、検察の力も及ばないような不法地帯を作ってしまった。それにメディアが加担した。それは反省すべきだと思います。本当にメディアはまずは変わるべき。メディアの影響は大きい」(大沢真知子名誉教授)
藤井貴彦キャスターは、国連人権理事会が記者会見で述べた「メディアの責任」「エンターテインメント企業」「ジャニーズ事務所の責任」などについて、フリップにまとめた上でズバリと質問していた。
「数十年にわたりという言葉もありましたので、長い間のしこりのようなものが、隠れて残っている可能性がまだあるということです」(藤井貴彦キャスター)
「数百人が性虐待」という数字
各局の夕方や夜のニュース番組でのタイトルテロップを確認したところ、この日の国連の記者会見の特徴は「数百人が性虐待」の被害者らしいと国連の専門家が見ているという点にある。この「数百人」という数字を強調しているのかどうかを比較してみた。日本テレビ、TBS、フジテレビ、NHKは、「タレント数百人が性的搾取に」(フジテレビ)、「数百人虐待に巻き込まれる」(TBS)などと、いずれかの番組でこの規模の大きさを強調している。一方で、テレビ朝日とテレビ東京は人数についてはふれず、比較的抑制的に伝えようとしているのがわかった。