ーーわすこさんに、落札したことをすぐに知らせましたか?
センパイ このまま誰も入札しなかったら落札しちゃうなっていうところで「これは言わなきゃマズいよな」と思って、横にいたので包み隠さず言いました。
わすこ 呆れながら聞いてました。あれってキャンセルできたの?
センパイ まぁ、できなくはないけど社会通念的にね……。
大型車のバスを探し始めた意外なきっかけ
ーーわすこさんも車が好きなんですよね。
わすこ 好きですけど、人並みですね。ただ父親が車好きというか、仕事が国産メーカーのディーラーで、車に囲まれて育ってきたので。父の車が、常に6台、7台は置いてあるような家でしたから。
ーー車に囲まれてきただけに、センパイさんがバスを買っても、どこかで耐性みたいなものが出来ていたのでは。
わすこ さすがに「このサイズはどうなの?」とはなりましたけど、その一方で「ついに、やったか……」という思いも抱きましたね。それでも、まさか本当に買うとは思いませんでした。
センパイ っていうか、僕が大型車のバスを探し始めたそもそものきっかけは、彼女のお父さんなんです。彼女の実家の町で使われていた町営バスが売りに出て、お父さんが「おい、買わねぇか?」と誘ってきたんですよ。そのバスは、ちょっとサイズが小さかったんですけど、お父さんに言われたのを機にバス熱がボワッと出てきてダーンと上がって、そのまま下がらなかったんですよ。
で、入札したんですけど落札できなくて。その悔しさと大型免許を持っているのに大型車を持っていない悔しさが渦巻くなか、ヤフオクを見てたら「あっ、出てる!」ということだったんですよ。
仮ナンバーを申請して那須塩原まで引き取りに
ーーセンパイさんが大型車の免許を持っているのは、仕事の関係でしょうか。
センパイ 特殊といえば特殊な大型車両のドライバーをしています。ヤフオクでバスを見つけたのって、大型車両を運転する仕事に就いてそんなに時間が経ってない頃で、バスを持ってれば大型車運転の自主練ができるなって。落札しちゃっても、自分の中ではそういう落ち着かせ方をしてました(笑)。
ーーバスの引き渡しは、どういう形で行われたのでしょう?
センパイ 那須塩原だったんですけど、直接引き取りに行きました。
わすこ 「取りに行こうぜ!」って、キラッキラした眼で言われて。
センパイ 行ってみたら、普通の中古車屋さんみたいなところで。その駐車場にドーンって。
わすこ 他の車は小型車とか普通車ばかりで、大きい車はハイエースくらい。だから、バスが目立ってましたね。バスって、そこまで大きさを意識しないで乗っているじゃないですか。でも、改めてまじまじと見てみると「大きいな」って。