小泉武夫さん

「和食の基本は一汁一菜。味噌汁と香の物、という献立を日本人はずっと食べてきた。味噌、漬物はどちらも発酵の賜物。我々は骨の髄まで発酵食品でできているのです」

 農学者の小泉武夫さんは、“発酵仮面”の異名も持つ大碩学(せきがく)。我が国における発酵の果たした歴史的、文化的意義を広く発信し続けてきた。

「奈良時代の風土記には、カビを利用した酒造の記録があるほど、日本人にとって発酵は身近なものでした。たとえば漬物。糠(ぬか)、味噌、酒粕、くさやと枚挙に暇がない。ほかにも日本人には肉食の習慣がなかったのに、なぜ今日まで生きながらえたかという疑問がありますね。それは豆という優れたタンパク源を、あの手この手の発酵を用いて摂取してきたからです」

ADVERTISEMENT

 一杯の味噌汁に豆腐、納豆、油揚げを入れれば、「畑の肉」の四重奏というわけだ。

「現代では、発酵食品の保健的機能性に注目が集まっています。長寿、健康、免疫向上。今度催されるシンポジウムでは料理研究家の土井善晴さんらと発酵食品の魅力を存分に語るつもりですが、こりゃ私だけで優に2時間以上喋ってしまいそうですよ(笑)」

INFORMATION

大和ハウス生活文化フォーラム「健康な暮らしは発酵食品で」
5月26日14時から大和ハウス工業東京本社にて
聴講希望は、葉書に郵便番号・住所・氏名・年齢・性別・職業・電話番号を明記し、4月6日までの消印で、〒107-0051 東京都港区元赤坂1-4-2 知性ビル「大和ハウス生活文化フォーラム事務局」まで。
HPからの応募も可能。応募多数の場合は抽選
http://www.daiwahouse.co.jp/forum/seikatu/