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25歳でフリーターからプロテニスへ…全国模試5位、開成ー東大卒の“天才“が歩んだ壮絶な学生時代「ガリ勉の極致みたいな世界だった」

25歳でフリーターからプロテニスへ…全国模試5位、開成ー東大卒の“天才“が歩んだ壮絶な学生時代「ガリ勉の極致みたいな世界だった」

テニス選手・市川誠一郎さんインタビュー#1

2023/09/09
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「こいつら、マジでヤベえな」勉強ガチ勢の成績上位者に震える

ーー勉強にゲーム性を感じたと。

市川 シューティングゲームみたいな感覚で、そこに僕はハマったんですよ。スポーツとも近くて、相手と対戦する競技ではないけど、陸上みたいに自分で記録を伸ばしていく感じ。で、日本一の成績を取りたいなって。

 そこにのめり込んじゃって。勉強自体がどうかじゃなく、席順を良くしたり、点数を上げていくことにすごく夢中になって。ほとんどの生徒は親に勉強をやらされてるけど、やっぱり上に行くほどガチで勉強していて、マジで強いヤツっているんですよ。

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 成績上位者の選抜クラスに呼ばれるんですけど、そこに順位表に名前が載っているヤツがいるわけです。すでに順位表で名前も点数も知っているから、顔を見て「こいつが、数学がすげえ〇〇か」とか「国語がすごい〇〇って、こいつか」なんて思って。で、そういう子たちが授業でとんでもない問題を解いているのを見て「こいつら、マジでヤベえな」って震えましたね。思わず「どうやって勉強してるの?」と聞いちゃいましたけどね。

 もうどいつもこいつもガチ勢すぎて、もはや選手って感じでしたね。

勉強だけにフォーカスするためにゲーム機やソフトを封印

ーーガチ勢を前にひるむどころか、より闘志を燃やしてしまったんですね。

市川 そいつらに絶対勝てるように、週間計画表みたいなものを作って「毎日、この時間はこれを勉強する」って細かくスケジュールを立てて。

 その子たちよりも多くの勉強量をこなさなきゃって、どんどんエスカレートしていって、ご飯を食べている最中にも勉強をしていました。親には「食べながら勉強なんかするな」とか「早く寝ろ」とか言われてましたけど。

ーー勉強をゲームのように捉えられるぐらいですから、実際のゲームにもハマったのでは。

市川 ゲームは、まぁまぁ好きだったかな。「東京ゲームショウ」でやっていた「ぷよぷよ」の大会に出て勝ったことがありますね。小6の頭までは、塾の友達の家に遊びに行ってゲームしていましたけど、小6の途中で封印しました。

 なにかにのめり込むと「これ以外は絶対やっちゃ駄目」みたいなところがあって。勉強だけにフォーカスするために、ゲーム機やソフトもどこかにしまって本当に封印しちゃって。

ーー志望校は、開成一択でしたか。麻布中や武蔵中なども目指していましたか?

市川 日本一の成績を取りたいってところから始まっているので、受験に関しても偏差値が一番高い学校に一番の点数で合格したかったんです。試験日が同じ日に重なっていたら、そのなかで最も偏差値の高い学校を受けるようにして。

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