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子牛は背中の肉を食われ死んでいた

・6月24日 標茶町上チャンベツの牧場で生後14ヵ月の乳牛が背中の肉を食われ死亡。今年に入り初めてのOSOによる乳牛被害となる。

・6月25日 前日の襲撃地点から南に10キロ離れた標茶町の町有林のセンサーカメラに木に背中をこすりつけるOSOの鮮明な姿が初めて捉えられる。

→木に仕掛けられた「ヘアトラップ」で採取した体毛のDNA鑑定でOSOと判明。

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・7月1日 上チャンベツの襲撃現場に再びOSOが現れる。

・7月16日 アレキナイから上尾幌方面へと向かうOSOの足跡を発見。

・7月30日 駆除

7月1日、襲撃現場に再び現れたOSO18の姿(藤本靖氏提供)

 昨年までの対策班は、とにかくOSOに関する情報をひとつでも多く集める「攻めの探索」を行っていたが、今年はその結果得られた情報をもとに「攻めから待ち」へと作戦変更をしていたという。具体的には、ここ数年、必ず牛の襲撃が起きるアレキナイを中心に「ヘアトラップ」と定点カメラを増設し、OSO包囲網を形成していたのである。

牛を襲い続けたOSO18の姿(標茶町提供) ©時事通信社

 前出の7月の記事において、藤本は定点カメラの映像分析から、今年は中チャンベツからアレキナイにかけてOSOを上回る体重400キロクラスのクマが〈ゴロゴロ〉来ていると指摘していた。クマは自分より大きいクマは避ける傾向がある。そして実際に今年最初の襲撃(6月24日)は中チャンベツより手前の上チャンベツで起きた。当然、藤本らは近辺にくくり罠(ワイヤーの「輪」の中に獲物が足を踏み入れるとバネが作動し、獲物の足を一気に締める罠)を仕掛けるなどして次なる出現に備えていた。

後編に続く)