Q 安倍首相が「働き方改革」で折れたのはどうして?

 国会でさかんに議論された、働き方改革関連法案。安倍首相は裁量労働制拡大を削除する考えを表明しました。参照していたデータがずさんだったわけですが、これまでの安倍首相のやり方なら、ねばって断念しなかったような気がします。何か理由があるのでしょうか。(40代・男性・会社員)

A それくらいの判断力は、さすがに持ち合わせていたということでしょう。

 これはもう、あまりにずさんなデータでした。働き方改革関連法案がいいものだという根拠のひとつとして安倍首相が国会で紹介してしまった以上、このデータが間違いだったら、「裁量労働はいいもの」という説明が成り立たなくなりました。

 当然、内閣の中や与党の中でも「これはマズイ」という感覚が広がっていましたから、安倍首相は出直すことにしたのでしょう。それくらいの判断力は、さすがに持ち合わせていたということでしょうね。

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安倍晋三首相 ©文藝春秋

 与野党で賛否が分かれる問題に関し、これまで安倍内閣は与党の数の力で押し切ってきましたが、この話は賛否が分かれることではありません。与野党ともに「おかしい」と考える話だったのです。

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