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サニバニ いや、お父さんがおばあちゃんのためにイスラマバードに建ててあげた家です。向こうってメッチャ物価が安かったから、お手伝いさんを雇ってたりしてましたね。うちはぜんぜん普通の家庭なんですけど、あっちに行ったら、ちょっとお金持ちになるみたいな感じで。

宗教上での周囲との違いを意識できていなかった幼少期

ーーお父さんは“宗教的なことを学んでほしい”と、パキスタン生活を決めたわけですが、そう考えることになった理由などはわかりますか。

サニバニ 私は日本で普通に生きてたんですけど、日本では普通のことでも宗教上ではダメなことが多いから。スカートを穿いてはいけないとか、あんまり男の子の友達を作ったらダメだよとか。そういうのを知ってほしかったんだと思います。

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ーーサニバニさんは、宗教上でダメなことがあることに対して違和感みたいなものは。

サニバニ 生まれたときからそうだったから。でも、それが普通だけど、周りとは違うから「どういう状況?」みたいな。あんまり意識できてなかったというか。

 でも、ちっちゃいときから目立ちたがり屋だったので、服とか大好きだったし、派手なものも大好きだったし。男の子の友達と遊べないのも「え~、それ気まずい」と思ってて。だから、お父さんの目が届くところでは遊ばないけど、裏で男の子たちと駆け回ってました。

言葉は分からないけど、「行くしかない」と思い込んでた

ーーまわりの子たちは、なにも気にせずにサニバニさんと接していましたか。

サニバニ ラブベリ(オシャレ魔女♥ラブandベリー)カードの世代なんですけど、その交換をしたり、雪だるま作ったりしてメッチャ遊んでいたから。ちょっとみんなと違うからってイジメに遭ったとかは、とくになくて。

 でも、パキスタンとのミックスだから「パキ」って言われたり。小学校でよくあるじゃないですか、そういうしゃしゃり。イヤだなとは思ってたけど、ものすごいイジメを受けたとかはなかったから、恵まれていたほうなのかな。

幼少期のサニバニさん

ーーパキスタン行きの話は、前々から聞かされていたのでしょうか。

サニバニ 何ヶ月か前から「行こうか」って言われてたけど、いま振り返ってみても「それはそれで結構突然じゃない?」って気がしてならないですね。ひとりで行くなんて怖かったけど、やっぱり子供だったから「お父さんの言うことをきかなきゃいけない」「行くしかない」って思い込んでた。

 ウルドゥー語はちょっとしかわからないし、英語もしゃべれないけど行くっていう。