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 いったい、東広島駅はどこにあるのか。そしてどんな駅なのか。誰が使っているのか。広島の東、というある意味ではわかりやすすぎるネーミングは、かえって何も想像ができない。果たして、どんな駅なのだろうか。

 そんなわけで、広島駅から新幹線の「こだま」に乗ってひと駅、東広島駅にやってきた。まず地図で東広島駅の場所を確認するところからはじめよう。

今回の路線図。広島駅の東側、でも尾道よりはずっと西側にある「東広島」

 東広島駅は、広い意味で広島駅の東側、賀茂台地と呼ばれる丘陵地帯の真ん中の西条盆地にある。新幹線は賀茂台地を東西に横切って走っていて、だいたい三原駅と広島駅の中間くらいに位置しているのが東広島駅だ。

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 相対式のホームが2面、その間に東広島駅を通過してゆく「のぞみ」などのための線路がある。新幹線駅というと、改札口などのあるコンコースはホームの上、つまり橋上駅舎がほとんどだ。

 が、この駅はちょっと変わっていて、上り列車のホームからは階段を下りてホーム下の通路を抜けて駅の南側1か所だけの改札口に出る。反対に、広島方面に向かう下り列車のホームからは、真ん中あたりの階段を下りればすぐに改札口だ。つまり、まるでローカル線の小さな駅と同じような、シンプルな構造をしている。

 

シンプルな構造の駅を出る。改札を抜けると駅舎の前に小旗を持ったおじさんが…

 このシンプルな構造からも、東広島駅という新幹線単独駅の位置づけがなんとなく見えてくる。が、あまり早合点せずに、とにかく改札口を抜けよう。改札を抜けると、傍らにコンビニのある駅舎内の待合スペース。その向こうに駅舎からの出口がある。駅舎の前で待ち構えているのは、何やら小旗を持ったおじさんだ。

 おじさんは、「広島大学行きのバスはこちらでーす」と叫んでいる。所在なげにしている人を見かけたら近寄って声をかける。筆者も「広島大学ですか?」と聞かれたが、まったくその予定はないので正直に「違います」と答えた。

 するとまた、「広島大学はこちらでーす」。もちろん変なおじさんではなくて、広島大学へのバスの案内人である。同じ新幹線で何人かの若い人たちがこの駅で降りたなあと思ったが、彼らはきっと広島大学の学生たちだったのだろう。