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 広島大学は、西条盆地の真ん中に設けられた賀茂学園都市の中核施設で、1970年代に計画がスタート。1980~90年代にかけて、広島市内から大学キャンパスの大半が移転してきた。東広島駅はキャンパスの移転が続く最中の1988年に開業した。ということは、この駅には賀茂学園都市発展の決め手という役割があった、というわけだ。

 数分ののちに広島大学行きのバスが発車すると、東広島駅前の広場は静寂に包まれた。タクシーが何台か退屈そうに客待ちをしていたり、近隣からやってきたクルマが新幹線に乗るであろう家族を降ろしたりしているが、これといって賑やかな雰囲気はない。真夏の盆地の中の、暑い静かな駅前である。

 

街路の中に分け入ってゆく。駅から離れるにつれてゆるやかに上り坂になっていき…

 といっても、東広島駅だって天下の新幹線の駅である。駅前には立派な広場があるし、その向こうにはよく区画整理された街路が広がっている。正面にはご存知東横インをはじめ、ビジネスホテルも建つ。コンビニだってあるので、炎天下に手ぶらで訪れても暑さにやられることはない。

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 その街路の中に分け入ってゆく。東広島駅が西条盆地の南端にあって、すぐ南側には盆地の縁の山がある。だから駅前の街路は駅から離れるにつれてなだらかな上り坂。駅に近いところにはホテルやコンビニ、パチンコ店やレンタカー屋のほか、いくつかの工場もある。

 そしてその奥の坂の途中は住宅地。規模はそれほど大きくないものの、いわば新幹線駅直結のニュータウン。ちょっと料金はかかるが新幹線で広島駅までは約10分という近さだ。その気になれば高速道路を使うこともできるし、駅の周りに商業施設が少ないことを除けば実はめちゃめちゃ便利な町なのかもしれない。

 

 他にも駅の周りにはいくつかの工場やゴルフ場などがあり、小さいながらもひとつの駅前タウンが形作られている。ところどころに公園もあるし、そもそも山の麓なのだから緑にはことかかない。駅前の通りはなかなか交通量も多く、東広島駅周辺は地域の拠点としての存在感は充分に持っているといっていい。