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有村 映画×サウナで何かできないかと思いついたのがシネマアウフグースです。たとえば『パイレーツ・オブ・カリビアン』の映像と音楽をサウナ室に流しながら、「船が出るぞー!」と熱波を送ったり、『トップガン』のマッハの風とか、『タイタニック』の優しい風とか(笑)。映画の世界を体感できる、まるでアトラクションのようなアウフグースです。

 
 
「シネマアウフグース」でサウナ×映画のコラボを実現 ©山元茂樹/文藝春秋

――なるほど、人力の4DXというか。

有村 はい。7月には埼玉の「美楽温泉 SPA HERBS」で第1回を行いました。オファーさえいただければ、全国各地でシネマアウフグースをやるつもりです。

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「お仕事ひとつひとつにしっかり向き合い、また次につなげていきたい」

――サウナ室を訪れるのは、当然、一般のお客さんですよね。アリコンさんが一般の方と対面で会話する機会はあまりなかった印象です。

有村 オンラインサロンを一時期主宰したり、小さい会場でトークイベントを開催したことはありますが、言われてみれば、たしかに近距離でお話する機会は少なかったかもしれません。そういう意味でも、新しい挑戦ですね。シネマアウフグースに先駆けて、テントサウナなどでアウフグースを担当したことはありますが、熱波って送る側はヤケドしそうなレベルで熱いんですよ。

 体力勝負の仕事ではありますが、これからは映画に加えて、シネマアウフグースで人様のために汗をかこうと思っています。今は演目がふたつしかありませんが、いずれは熟練の落語家のように、お客さんに合わせて変えていきたいですね。

――誰かをもてなすのがお好きとのことなので、天職かもしれませんね。では、現在はシネマアウフグースの準備を頑張る日々ですか?

有村 そうですね。音源の編集といったシネマアウフグースのための準備と、映画鑑賞、そして子どもと向き合う時間を大切に過ごしています。ずっとレギュラーの仕事で固めて働いてきたので、自業自得とはいえ、それらを一気に失ったのは痛手でしたが、今は単発のお仕事ひとつひとつにしっかり向き合い、また次につなげていきたいです。