〈解説〉

「サスペンス映画の神様」と称されるアルフレッド・ヒッチコックの監督デビュー100周年を記念して、2022年に制作されたドキュメンタリー。ヒッチコック“本人”が自身の監督作品について、「逃避・欲望・孤独・時間・充実・高さ」という6つのテーマに沿って一人称で語るという、トリッキーなスタイルで構成されている。

『見知らぬ乗客』や『めまい』、『サイコ』などの代表作のほか、現在日本では観ることが困難な初期作品『快楽の園』や『ダウンヒル』などを含む、52作品の映像をふんだんに引用。

 監督・脚本のマーク・カズンズは、『ストーリー・オブ・フィルム 111の映画旅行』など、膨大な映像のモンタージュを駆使し、映画史を新たな視点から切り取るドキュメンタリーを数多く発表している。120分。

  • 中野翠(コラムニスト)

    ★★★★☆テレビ番組『ヒッチコック劇場』を好んで観ていた子どもだったので、モノクロのヒッチコックの姿、ひたすら懐かしい。

  • 芝山幹郎(翻訳家)

    ★★★★☆驚くべき知見には遭遇しないが、ヒッチコックの初期作品をほどよく混ぜて観客をそそのかす。シネフィルならではの技。

  • 斎藤綾子(作家)

    ★★★★☆ヒッチコック自身が語る演出の効果かテレビの前で正座して見た昔々の記憶を弄られた。時間と空間の恐怖を楽しく反芻。

  • 森直人(映画評論家)

    ★★★☆☆ヒッチ本人が語る解題との愉快な設定は大胆とも抑制とも取れる。映画術の神髄を21世紀に向けて問う視座を楽しんだ。

  • 洞口依子(女優)

    ★★★☆☆逃避、欲望、孤独など6つのテーマ別構成・語りはまるで降霊術な不思議感覚。教養的だが、ファンジン的に愉しんだ。

  • もう最高!ぜひ観て!!★★★★★
  • 一食ぬいても、ぜひ!★★★★☆
  • 料金の価値は、あり。★★★☆☆
  • 暇だったら……。★★☆☆☆
  • 損するゾ、きっと。★☆☆☆☆
© Hitchcock Ltd 2022

INFORMATION

『ヒッチコックの映画術』(英)
9月29日(金)より新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMA、角川シネマ有楽町ほか全国公開
https://synca.jp/hitchcock/