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「アダルト動画サイトの閲覧数はNetflixよりはるかに多いのに」東大の男性が「女性用AVを研究しよう」と思ったクリスマスイブの思い出

東大院卒「女性向けAV」研究者インタビュー#4

2023/10/07

genre : ライフ, 社会

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──それからは一気に、女性向けAVに?

服部 いえ、女性向けAVを初めて見たのは、大学3年のときです。クリスマスイブに独りで見ました(笑)。『Filled with you 一徹』と『遠回りの恋』だったと思います。

『Filled with you 一徹』(SILK LABO)では、視聴者は「一徹さんとの1日デート」を疑似体験。一徹からの熱い視線、甘い囁きなどを堪能できる

──そのときはもう、「女性向けAVを研究するぞ」という気持ちで?

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服部 卒論はこれで書こうかな、とは思っていたかもしれません。社会学研究室に進学した頃は、「女性向けAV」の他に「性的倒錯」「包茎の歴史」などの候補もあったんですが、いつの間にか女性向けAVに絞られていました。

指導教員は「オナニー論文で東大教授になった」

──どれを選んだとしても、社会学としてはアグレッシブなテーマですね。

服部 あとで、どれも研究している方がいると知ったんですけどね。やっぱり、瀬地山先生の授業を聞いたのが大きかったです。自分はエロが好きだし、エロをやっても研究になるらしい、と。瀬地山先生が話していたオナニー100年史も、実はもともと博士論文なんです。

 その博論を書かれた方が、僕の指導教員の赤川 学先生でした。あとで知ったことですが、赤川先生は『ジョージ・ポットマンの平成史』にも出演していて。

東京大学大学院人文社会系研究科の赤川 学教授。著書に『これが答えだ! 少子化問題』(ちくま新書)、『明治の「性典」を作った男:謎の医学者・千葉繁を追う』(筑摩選書)など

──そこでつながるんですね。

服部 赤川先生は、日本のオナニーの歴史の他に、ポルノグラフィ史についての論文も書いている方です。そういった縁と、当時は一徹さんが現役で女性向けAVに注目が集まっていた時期だったので、これは熱いぞというのもありました。

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