Q 池上さん、なぜ「考察」は盛り上がるのでしょうか?
テレビを見ない時代と言われますが、ドラマ『VIVANT』の最終回の視聴率は世帯平均19.6%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)という高視聴率を記録するなど、人気でした。特に、ドラマの展開や伏線を予想する「考察」が盛り上がりに拍車をかけていたように思います。なぜ、「考察」は盛り上がるのでしょうか?(20代・女性・会社員)
A「予想」よりレベルが高い印象を与える表現を使いたくなるのですね
このドラマは毎回どんでん返しが続き、誰がテロリストで誰が別班、だれが公安だかわからなくなってしまうストーリーでした。そうなると、「次回はどんなストーリーになるのだろう」と予想したくなりますね。
これを友人や家族で直接話し合っている段階なら、単に「予想」ですが、ネットで論じるとなると、自分の推理がどれだけ論理的に導き出されているかを誇りたくなります。
となれば、予想よりはレベルが高い印象を与える「考察」という表現を使いたくなるのですね。その上で次回の放送で自分の「考察」が当たれば自慢できますし、予想を裏切る展開になれば、「考察が裏切られた」と弁解できるではありませんか。
この言葉がSNSでバズったことで、今年の「流行語大賞」の候補に「別班」などと並んで、「考察」という言葉がノミネートされるのではないかと「予想」もとい「考察」します。