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収入は同年代の男性以上でも「冬のミニユンボは本当に地獄ですね…」 一人親方になった“重機女子”が語る工事現場の好きなところ、キツイところ

収入は同年代の男性以上でも「冬のミニユンボは本当に地獄ですね…」 一人親方になった“重機女子”が語る工事現場の好きなところ、キツイところ

#3

2023/10/14
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 置き場だけでなく、現場の仕事をして「ユンボ乗り」としてスキルアップするために「一人親方」として独立することを決意したKaoriさん。

 離婚を経て2人の子供を育てるシングルマザーとなっていたが、独立を決意できたのにはやはり“手に職”があったことが大きかったのだろうか。

巨大ユンボを乗り回すKaoriさんも私服ではとてもそうは見えない ©文藝春秋 撮影・石川啓次

「実はあんまりお金の心配はしていなくて、どんな仕事でもなんとかなる、という変な自信はありました。ただいま振り返ると、資格を取っておいて本当によかったなと思いますね」

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「『なんか女がいるな』と疑いの目で見られるのは確かです。でも…」

 離婚して1人で子供2人を育てるようになってから数年後、会社の環境変化もありKaoriさんは独立を決断。しかし最初の頃は経済的にはやはり厳しかったという。

「独立すると『一人親方』として、工事現場を仕切る元請けの大きな会社や二次請けの会社に声をかけてもらって、現場を渡り歩く働き方になりました。でも独立してから1年弱は、私はユンボの操作が上手いと評判の先輩に仕事を取ってもらって、日給をもらう形で現場に入っていました。いま『一人親方』として仕事ができているのはその人が丁寧に教えてくれたから。本当に感謝しています」

 

 独立から約1年の“修行期間”を経て直接仕事を引き受けるようになり、本当の意味で一人親方となったKaoriさん。「日本中で10数人しかしらない」という女性のユンボオペであることは、仕事の上で意外とプラスに働いたという。

「ユンボに乗っている女性は、私がインスタで繋がっている人だと全国に12人ほどです。クレーンに乗る女性は結構いるんですが、ユンボはほとんど見かけない。しかもほとんど置き場で、工事現場に出てるのはさらに少ないです。そういう男だらけの世界なので、初めての現場では『なんか女がいるな』『大丈夫か?』と疑いの目で見られるのは確かです。でも『女にユンボなんか乗れるのか?』とハードルは低いので、ちゃんと仕事ができれば逆に高く評価されやすい(笑)。だからむしろ得してるなって」

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