「15年以上前にタレントや事務所関係者から『ジャニー氏が寝床に入ってきた』『ベルトを何本も巻いて寝た』と笑いながら言うのを聞いたことがあるが、深刻に受け止めていなかった」(制作経験者)
「『ジャニーさんに携帯電話の番号を教えたくない』と言っている男の子がいて、ちょっとおかしいなと思った記憶がある。しかし男の子にそのことを聞くのはセクハラだったり、触れられたくない部分ではないかということもあって、聞けなかった」(制作経験者)
「他の事務所でも『枕営業』やセクハラの話はまあまああると聞いていたので、芸能界ってそういうところ。ジャニー氏のセクハラもスペシャルなものとは感じなかった」(制作・編成経験者)
「数字を取りやすいから。そして社内の自分の評価が高まるから」
ではTBSの制作・編成関係者は旧ジャニーズ事務所から圧力を受けたり、あるいは事務所に対して、忖度するようなことはあったのか。
この点に関しては「圧力」も「忖度」もなかったという関係者と、「あった」と証言する人の2つに分かれた。後者はかなり率直な言葉で「忖度」を認めている。
「気に入らないことがあるとすぐに『タレントを引き上げるぞ』と言うため、企画がガラッと変わるなど、振り回された感があった」(制作経験者)
「編成のジャニーズ担当の中には、マネージャーからの電話に出るために、夜中に家に帰ってビニール袋に携帯を入れて風呂に入っている人もいた」(制作・編成経験者)
「怒らせたらダメ。この1年の間にも、ジュリー氏を通して、キャスティングをめぐる圧力が番組にあった」(制作経験者)
こうした数々の証言があるなかで「芸能事務所との交渉は現場では常にあり、ジャニーズ事務所に限らない」という話も多く聞かれたという。
スタジオで示された証言は、TBSだけでなく民放テレビ局と旧ジャニーズ事務所との関係を象徴的に物語るものだった。
「若い頃から、ベテランのプロデューサーがジャニーズ事務所に平身低頭で接するのをずっと見てきた。それを見て育ったので、自然に自分もそうなっていく。うまくやれば次のジャニーズの仕事も来る。なぜみんなジャニーズと仕事をしたいかというと、一つは数字(視聴率)を取りやすいから。そして社内の自分の評価が高まるから」(制作経験者)