北関東で最大の都市・宇都宮。ギョウザだなんだと、東京から宇都宮にでかける人もそれなりに多いのではないかと思う。ここで、みなさまにお伺いしたい。東京から宇都宮まで、新幹線で行くのかそれとも在来線で行くのか、だ。

 新幹線ならば東京~宇都宮間の所要時間はおおよそ50分。在来線のJR宇都宮線では2時間かかるから、さすがの新幹線、圧倒的なスピードだ。

 ところが、おカネの面では真逆である。新幹線は自由席でも約4500円。在来線なら2000円もかからない。おカネは倍以上かかるけど時間は半分以下の新幹線か、それとも時間は倍以上でもおカネがかからない在来線か。これ、なかなか悩ましい問題だ。

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 もし、これが東京から大阪に行きます、などという話だと、さすがに在来線では時間がかかりすぎて思案の外になる。宇都宮はかかっても2時間、かかっても5000円。あまりに微妙なところである。

 ちなみに、ここで「在来線にしたからだいぶ安いし、せっかくなのでグリーン車を使おう」などと考えてしまうと、結局1000円余計にかかり、2時間かけて3000円という、なんだかもっと微妙なことになるので注意が必要である。

 と、まあそんな絶妙なポジションにある宇都宮。だが、忘れてはいけない。新幹線にしたって在来線にしたって、宇都宮まで到達するその手前に、ちょっとした駅があるということを。

東北新幹線“宇都宮まであと10分の駅”「小山」には何がある?

東北新幹線“宇都宮まであと10分の駅”「小山」には何がある?

 その駅の名は、小山駅。“こやま”ではなく“おやま”と読む。あるところより上の世代の人たちならば、「おやまゆうえんち~」という独特の旋律のコマーシャルでおなじみの、あの“おやま”だ(ちなみに小山ゆうえんちは2005年に閉園してしまい、いまはもうありません)。

今回の路線図。栃木県内では宇都宮市に次ぐ大きな都市の玄関口「小山」

 小山駅があるのは栃木県小山市、栃木県内においては宇都宮市に次ぐ人口約17万人を抱える都市の玄関口だ。西に向けては足利・桐生・伊勢崎を経て群馬県の前橋に達する両毛線、東に向けては結城・下館を経て友部・水戸に達する水戸線が分かれるターミナル。

 新幹線の駅としてはだいぶ地味といわざるを得ないが、北関東のおおよそど真ん中にあって、交通の要衝となっているのだから、「なんでこんなところに新幹線が停まるの?」などという疑問は無粋の極みである。

 まあそんなわけで、小山駅にやってきた。新幹線なら東京駅から約40分。つまり宇都宮まであと10分、というところで寄り道するのが小山駅、ということになる。